トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 (2015)

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 1940年代から50年代にかけてアメリカで猛威をふるった赤狩りによってハリウッドを追われながらも、偽名で活動を続け、「ローマの休日」など数々の名作を世に残した不屈の脚本家ダルトン・トランボの苦難と復活の軌跡を映画化した感動の伝記ドラマ。いわれなき汚名による迫害に屈することなく己の信念を貫いた男の物書きとしての矜持を、愛する家族との強い絆の物語と共に描き出す。主演はTV「ブレイキング・バッド」のブライアン・クランストン。監督は「ミート・ザ・ペアレンツ」のジェイ・ローチ。
 第二次世界大戦終結し、米ソ冷戦体制が始まるとともに、アメリカでは赤狩りが猛威をふるう。共産主義的思想は徹底的に排除され、その糾弾の矛先はハリウッドにも向けられる。売れっ子脚本家だったダルトン・トランボは、公聴会での証言を拒んだために議会侮辱罪で収監され、最愛の家族とも離ればなれとなってしまう。1年後、ようやく出所したトランボだったが、ハリウッドのブラックリストに載った彼に仕事の依頼が来ることはなかった。そんな中、家族を養っていくためにB級映画専門のキングス・ブラザース社から格安の仕事を請け負い、偽名で脚本を書きまくるトランボだったが…。<allcinema>

2015年 原題:TRUMBO 上映時間:124分 製作国:アメリ
ローマの休日」を生み出した脚本家の真実の物語
監督:ジェイ・ローチ
原作:ブルース・クック『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』(世界文化社刊)
脚本:ジョン・マクナマラ
音楽:セオドア・シャピロ
出演:
ブライアン・クランストンダルトン・トランボ
アドウェール・アキノエ=アグバエ/ヴァージル・ブルックス
ルイス・C・K/アーレン・ハード
デヴィッド・ジェームズ・エリオット/ジョン・ウェイン
エル・ファニング /ニコラ・トランボ
ジョン・グッドマン/フランク・キング
ダイアン・レインクレオ・トランボ
マイケル・スタールバーグエ/ドワード・G・ロビンソン
ディーン・オゴーマン/カーク・ダグラス
ロジャー・バート /バディ・ロス
ヘレン・ミレン/ヘッダ・ホッパー 
こういう人がいたこと、こういう時代があったことはまったく知りませんでした。

前半は、赤狩りの話で、ちょっと目まぐるしく分かりにくかったんですけど、
出所してから生活のために仕事を再開した後は、
家族の物語となってとても面白かったです。

赤狩りを描く中で、ヘッダ・ホッパーというコラムニストが出てきます。
ヘレン・ミレンが演じているんですけど、この人がすごい。
ほんとにそうだったらしいけど、ハリウッドのドン的な存在で、
何事においても彼女にお伺いを立てないといけなかったらしい。
見ていて嫌な気分にさせてくれるコラムニストですけど、
きっとこういう立場の人が多くいたんだろうなあ。

共産主義的思想が危険だということ、
戦後すぐのことなので、世の中の流れがそうだったんでしょうけど、
その時代を知らない者にとっては、その排除の仕方が恐ろしい。

そんな中でも、生活のためには脚本を書くしかなかったトランボの行動はお見事!
確かに家族がそれに巻き込まれてしまうのは辛かったけど、
父親の権限の強さは、アメリカでも同じだったんだなあと思ったほどです。

アカデミー賞を受賞するという名誉も、生きるためには捨てなければいけない。
トランボの覚悟は生半可ではなかったはず。
それをわかっているから、奥さんの覚悟も同じだと感じましたね。

どれほどの絆で結ばれていたか…。
信じていたんでしょうけど、最後まで諦めなかった、見捨てなかった、
奥さんはすごい人です。

子どもが、父親の職業を隠さなくてはいけない。
奥さんは我慢できても、子どもは辛かっただろうなあ。
そんな家族を思ってのコメントには納得でした。

輝かしいハリウッドの闇の時代を描いた作品ですが、素晴らしい作品です。


ヘイル・シーザーは未見ですが、面白いコラムがあったのでご紹介(^^)