光をくれた人 (2016)
「ブルーバレンタイン」「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ／宿命」のデレク・シアンフランス監督がマイケル・ファスベンダーとアリシア・ヴィカンダーを主演に迎え、Ｍ・Ｌ・ステッドマンのベストセラー小説『海を照らす光』を映画化した感動ドラマ。小さな孤島で灯台守をする夫婦が、島に偶然流れ着いた赤ん坊によって絶望から救われていくさまと、彼らを待ち受ける悲痛な運命の行方を綴る。共演はレイチェル・ワイズ。
1918年、オーストラリア。第一次世界大戦の過酷な戦場から帰還したトム・シェアボーン。心に深い傷を負った彼は、絶海に浮かぶ無人の孤島、ヤヌス島の灯台守となる。３ヵ月後、正式採用の契約を結ぶために町に戻った彼は、地元の名士の娘イザベルに一目惚れし、ほどなく２人は結婚する。孤独で不便な孤島での結婚生活だったが、愛する２人にとっては何者にも邪魔されない幸せな日々だった。ところがイザベルは２度の流産という悲劇に見舞われ、深い悲しみに沈んでしまう。そんな時、１人の男の死体と泣き叫ぶ女の子の赤ちゃんを乗せたボートが島に流れ着く。町に報告しようとするトムを必死で説得し、赤ちゃんを自分たちの子として育てることにしたイザベルだったが…。＜allcinema＞
2016年 原題：THE LIGHT BETWEEN OCEANS 上映時間：133分
製作国：アメリカ／オーストラリア／ニュージーランド
この子を育てることは、過ちですか？
この子を愛することは、罪ですか？
監督：デレク・シアンフランス
原作：Ｍ・Ｌ・ステッドマン『海を照らす光』（早川書房刊）
脚本：デレク・シアンフランス
音楽：アレクサンドル・デスプラ
出演：
マイケル・ファスベンダー／トム・シェアボーン
アリシア・ヴィカンダー／イザベル
レイチェル・ワイズ／ハナ
ブライアン・ブラウン／セプティマス・ポッツ
ジャック・トンプソン／ラルフ・アディコット
その時の決断を、後悔しながら生きて行けなかった夫の行動。
その夫の行動を非難することで、娘を失ったことを紛らわせる妻。
赦すということは本当に尊い。
簡単ではないけど、成長した娘の姿に間違いではなかったと知る。
心が震える作品。
観るかどうか悩んで後回しにしていたんですけど、
ネットでの評判が気になって観てきました。
良かったです。
誰に主眼を置くかで、好き嫌いが分かれる内容かなと思いました。
帰還兵で灯台守になったトムは、
美しい妻の決断をどうしても反対できなかった。
妻の悲しみを知っていたから…。
でも、それと同時に、娘を亡くしたと思っている母親の存在を知った時、
そちらの悲しみにも寄り添ってしまった優しい男でした。
妻のイザベルだって、
ふたりの子供を亡くしたという状況の中で、他人の子を自分の子にしようとしたことは、
責められない…。
実の母親のことを知ったトムが、真実から目を背けられないとして取った行動を許せないと
犯罪者にまでしてしまうという行為は、正直驚くけど想定内。
実の母親が可哀そうだとか、イザベルが許せないとか、
そういうレベルの話じゃないんですよね～。
誰にも正義があって、誰も悪人ではない、と思います。
子どもがいる人はもっと違う感想なのかもしれないけど…。
本当の母方の祖父、イザベルの母親。
この二人がとても優しくて強くて、こういう大人になりたいと思ってしまった。
成長した娘の姿は、トムにとって救いだったでしょうね。
そんなことを感じた再会シーンでした。
