怪物はささやく(2016)

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 47歳でこの世を去ったシヴォーン・ダウドが遺したアイディアをパトリック・ネスが引き継ぎ完成させた同名ベストセラー児童文学を、「永遠のこどもたち」「インポッシブル」のJ・A・バヨナ監督が映画化した喪失と再生のダーク・ファンタジー。主演はイギリスの新星ルイスマクドゥーガル、共演にフェリシティ・ジョーンズシガーニー・ウィーヴァー。またリーアム・ニーソンが怪物の声とモーションキャプチャーを担当。
 教会の墓地が見える家で母親と2人暮らしの13歳の少年コナー。母親は不治の病のために余命わずかで、しつけに厳しい祖母とはソリが合わず、おまけに学校でも孤立して、毎夜悪夢にうなされる日々を送っていた。そんなある日、不気味な大木の怪物が現われ、“お前に3つの物語を話す。4つめはお前がお前の真実の物語を話せ”とコナーに告げる。こうして怪物は毎夜コナーのもとにやって来ては、不思議な物語を語り始めるのだったが…。<allcinema>

2016年 原題:A MONSTER CALLS 上映時間:109分
製作国:アメリカ/スペイン
その怪物が喰らうのは、少年の真実――。
監督:J・A・バヨナ
原作:パトリック・ネス『怪物はささやく』(あすなろ書房刊)
脚本:パトリック・ネス
撮影:オスカル・ファウラ
音楽:フェルナンド・ベラスケス
原作原案: シヴォーン・ダウド
出演:
ルイス・マクドゥーガル/コナー
シガーニー・ウィーヴァー/祖母
フェリシティ・ジョーンズ/母親
トビー・ケベル/父親
声の出演: リーアム・ニーソン/怪物
ネットでの評価が高くて、自分の目で確かめたい!
そんな思いで、遠出して観に行ってきました。
その映画館、朝活で9:30上映作品は1,100円なのです。
早起きして行った甲斐がありました。

ツボって人それぞれですけど、これは完全にツボで、
映画館じゃなかったら号泣…。というシーンがありました。

祖母がコナーに、
「私たちは気が合わないけど、共通はお母さんよ」
みたいなことを言うシーンです。
納得の台詞で泣けました…。

大切な身内を亡くした者同士、
それを支えに生きていく、前向きになっていくふたり。
そしてその後、
祖母が自分のために準備していた部屋に入り、見つけた母親のスケッチブック。
怪物はお母さんが想像したモノだった…。
母親との絆を感じる素敵なラストでした。

コナーを演じたルイス・マクドゥーガル
この少年は素晴らしい!

なんと、シガーニー・ウィーヴァーが、気難しいおばあさん役!
エイリアンで主演を張った女優さんも、もうそんな役なんですね。

娘を亡くすことで、孫と暮らさなくてはいけない。
どう関わっていけばいいか迷う気難しい祖母。
でも、実は優しくて思いやりのある人なんですよね~。

思ったほどダークではなくて、
母親の死を前にしたコナーの苦悩を、怪物が解き放っていく。
死を受け入れるには幼い少年の気持ちを慮ると、
ただただ涙。キャストの素晴らしさが作品に深みを与えていました。
破壊してそして再生する、家族の物語。でした。