セールスマン (2016)

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 「別離」「ある過去の行方」のイランの名匠アスガー・ファルハディ監督によるアカデミー賞外国語映画賞受賞の心理ミステリー・サスペンス。ひと組の劇団員夫婦を主人公に、妻が自宅で何者かに襲われた事件をきっかけに、表沙汰にしたくない妻と犯人を見つけ出すことに執念を燃やす夫の間に思わぬ感情のすれ違いが生じていくさまと、事件の衝撃の顛末を緊張感あふれる筆致でスリリングに描き出していく。主演は「彼女が消えた浜辺」でも共演しているシャハブ・ホセイニとタラネ・アリシュスティ。
 夫婦で小さな劇団に所属するエマッドとラナ。上演を目前に控えたアーサー・ミラー原作舞台“セールスマンの死”の稽古で忙しいさなかに、自宅アパートに倒壊の危険が生じて立ち退きを余儀なくされる。2人は友人に物件を紹介してもらい、まだ前に住んでいた女の荷物が残る部屋に慌ただしく引っ越す。それから間もなく、ひとりでシャワーを浴びていたラナが何者かに襲われ、頭部を負傷する事件が起きる。以来、心に深い傷を負ったラナは精神的に不安定になってしまう。一方、犯人を捕まえるために警察に通報しようとしていたエマッドは、表沙汰にしたくないラナの頑なな抵抗に遭い、苛立ちを募らせるが…。
2016年 原題:FORUSHANDE THE SALESMAN 上映時間 124分
製作国 イラン/フランス
ある夜の闖入者――
たどり着いた真実は、

監督:アスガー・ファルハディ
脚本:アスガー・ファルハディ
撮影:ホセイン・ジャファリアン
編集:ハイデー・サフィヤリ
音楽:サッタル・オラキ
出演:
シャハブ・ホセイニ/エマッド・エテサミ
タラネ・アリドゥスティ/ラナ・エテサミ
ババク・カリミ/ババク
ミナ・サダティ/サナム
ということでチェックしていた作品。

夫の留守中に起こった暴行事件から犯人探しが始まるが、
サスペンスというより人間ドラマだった。
犯人探しをする夫に対して、寄り添ってほしいと願う妻が痛々しかったし、
最終的には犯人を追い詰める夫も痛々しかった。

犯人があまりに情けない男で、全然潔くない。
夫が犯人に怒っているのは確かだけど、
妻が犯人を赦そうとすることにも苛立っているのだ。

だから犯人を追い詰めてしまうのだけど、
体調を崩してしまったり、
夫に殴られて意識を失ってしまったり、
夫としてみれば、悪いのはそっちじゃないか!と言いたくなるだろうし、
責められてしまったことに同情してしまうのだ。

夫婦間も壊れてしまうのかもしれないし、
妻が警察に通報しない理由もイマイチぴんと来なかったし、
モヤモヤを引きずってしまう結末だった。