羊と鋼の森 (2017)

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 第13回本屋大賞に輝いた宮下奈都の同名ベストセラーを「orange-オレンジ-」「四月は君の嘘」の山崎賢人主演で映画化した音楽青春ドラマ。一人前の調律師を目指して楽器店に就職した主人公が、個性豊かな先輩調律師たちや高校生姉妹をはじめとする仕事先で出会う人々との交流を通じて、何度も迷い悩みながらも逞しく成長していく姿を描く。共演は鈴木亮平上白石萌音上白石萌歌三浦友和。監督は「orange-オレンジ-」の橋本光二郎
 北海道の山奥で育った高校生の外村直樹は、たまたま学校のピアノの調律現場に立ち会い、その音に生まれ故郷の森の匂いを感じて魅了される。音楽の才能もクラシックへの興味もなかった外村だったが、このとき出会った調律師・板鳥宗一郎に憧れ、自分も調律師になることを決意する。やがて調律の専門学校を卒業した外村は、めでたく板鳥と同じ楽器店に採用される。そして先輩調律師・柳伸二について調律の仕事を一から学んでいく。そんな中、対照的なピアノを弾く高校生姉妹・佐倉和音と由仁と出会い、改めて調律の難しさと奥深さを実感していく外村だったが…。<allcinema>

2017年 上映時間:134分
たかが、一つの音。たった、一つの音。
心の声に寄り添い、探し求める。森の中を。

監督:橋本光二郎
原作:宮下奈都『羊と鋼の森』(文藝春秋刊)
脚本:金子ありさ
音楽:世武裕子
エンディングテーマ:久石譲『The Dream of the Lambs』(久石譲×辻井伸行辻井伸行『The Dream of the Lambs』(久石譲×辻井伸行
出演:
山崎賢人/外村直樹 鈴木亮平/柳伸二 上白石萌音/佐倉和音 上白石萌歌/佐倉由仁
光石研/秋野匡史 吉行和子/外村キヨ 三浦友和/板鳥宗一郎

ピアノを弾く者として、この作品は外せません。
原作を読み、公開を待ってました。

あるある~と思う反面、ピアノや調律を知らない人が観て面白いんだろうか。
そんなことを思いました。

映像の美しさは本当に素晴らしかったです。
北の大地の澄んだ空気はたっぷりの癒しを与えてくれます。

山崎賢人を良いと思ったのは初めて。
苦悩しながら成長する青年を好演していました。
そして何より、その脇を固める俳優陣が素晴らしい!
キャストを見てワクワクしていたのは、ベテラン調律師を演じる三浦友和
大人としてこうあるべきという姿を見せてくれてます。

ベテランから新人へ。先輩から後輩へ。
調律師としての想いが引き継がれるシーンには感動でした。

ピアノは調律師によって変わります。
音を合わせるだけでなく、ハンマーなどの機械の部分の調整など奥が深いんです。
楽器が持つ能力を、限りなく引き出すことが出来る調律師さんに巡り合うことは
本当に幸せなことです。

この本を紹介してくれた家の調律師さんは、映画の公開を待たずに亡くなりました。
本当に信頼していた方だったので、ショックでしたけど、
この作品のように、今は若い調律師さんが担当してくれています。
技術の継承。
どんな分野でも大切なことですよね。

横道へそれましたが、
演奏者を支える調律師は単なる裏方ではない、
ということを知ってもらえる作品になったのではないでしょうか。