春の雪

三島由紀夫の原作「豊穰の海」シリーズの第一巻で、
大正ロマン溢れる映像と、その時代の人々の生き方と、
そんなものが盛り込まれた作品です。

三島由紀夫はまったく読んだことが無いので、
これが三島の世界をどれだけ描いているのか分かりません。

なんでそうなるのさ、だったら最初から思うようにすればよかったのに
と、友人は言ってました。
確かに、今は自由に恋愛も結婚も出来る時代です。
だからといって、今の時代の物差しでこれを観るべき・・・?と感じます。

だって、それこそ時代が違うんだもん!・・・ですよ。

でも、そんなことより、人の思いとは違う、何か大きな力で生かされてる
そんな感じを強く受けました。

松枝公爵の策略が、思い掛けない方向で動いてしまって、
娘が結婚前に違う男の子供を身ごもるなんて、考えもしなかったこと。
たった一度の行き違いで、好きと言えずに苦しむなんて考えもしなかったこと。

人の思いではどうにもならない。
画策したって、思いは止められない。
そんな風に感じたので、特に嫌な作品ではありませんでした。
・・・長くて疲れる感じはしたけど・・・。

但し、主役の二人はいけません・・・。
テレビドラマ「ランチの女王」でのおちゃらけた感じが思いだされて、
どうも感情移入出来ませんでした。
特に竹内結子は、セリフが浮いてる感じです。

大正ロマンに浸ってみたい方にはお奨めします。