クラッシュ

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ミリオンダラー・ベイビー」の脚本で注目を集めたポール・ハギスが
脚本に加えて自ら製作と監督も務め、豪華キャストの競演で描く、衝撃のヒューマン群像サスペンス。
黒人刑事グラハムとその同僚でヒスパニックの恋人リア。
銃砲店で不当な差別に憤慨するペルシャ人の雑貨店経営者ファハド。
白人に敵意を抱く黒人青年アンソニーとピーター。
地方検事のリックとその妻ジーン。差別主義者の白人警官ライアンと同僚のハンセン。
裕福な黒人夫婦キャメロンとクリスティン。
やがて彼らの人生は思いがけない形で交錯、大きく狂い始める…。

あちこちのブログで評判の良かった作品です。
一味違うサンドラ・ブロック見たさだったんですが・・・。
本当に脚本が良い作品に出会いました。
この感じは、【イン・ハー・シューズ】に似ています。

オムニバスになっていて、いろんな人が伏線を張っていきます。
ちょっと入り組んでて、この人誰だっけ・・・?と思うことはありますが、
そんなに悩まずにストーリーを追いかけていけます。

人種差別をテーマにしています。
これは、単一民族の私たちには理解しにくい部分ではあります。
けれど、そこだけにこだわって見るのではなく、
人としての関わり方、として見ていけば理解しやすいと思います。

誰が自分にとって大切な人か・・・。
長年つきあっている人ではなく、手の届くところにいる人なんだよ。
サンドラ・ブロック扮するジーンは気づきます。

自分の職務に忠実ならば、どんな人でも助ける。
と、使命感に燃えたのは警官のライアン。
この警官が人命救助したシーンは、感動的でした。

他にも、逆恨みしたペルシャ人が銃を手にしたときのシーンや
弟の死体を発見した刑事とその母親とのシーンなど
考えさせられるシーンも多くありました。

すべてが丸く治まったわけではありません。
これからどうするの・・・?と問いかけたくなるように、
結論の出なかった人たちもいます。

それもこの脚本の良さでしょうね。

ひとつずつのエピソードを丁寧に見せてくれる、本当に良い作品でした。