小説・宿命

宿命 東野圭吾

高校時代の初恋の女性と、心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、
警察官となった。
男の前に十年ぶりに現れたのは学生時代ライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫となっていた。
刑事と容疑者、幼なじみの二人が宿命の対決を果すとき、余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。

しばらく読書から遠ざかってました。
買ったまま放り出していた【宿命】。
久しぶりにバスで出かけることのなったので、バッグの中へ入れていたら、
あらら・・・。止まらない。

そんな訳で、あっという間に読み上げました。

ミステリーというより、人間像を描いた作品という色が強い気がしました。
タイトルにどんな意味があるのか、勝手な想像などしつつ、
でも途中からは、そんな雑念を忘れてしまいます。

人には、どうしても逃れられない"宿命"というのがあるのでしょうか。
だから気になってしまう人がいる。
だから年数を経ても再開してしまう人がいる。

全ての糸は、最後の一言に繋がっている。

作者が、その一言のために書いたと言ってました。
なるほど。納得です。

東野圭吾氏の作品は、感情を表に出さずに進む気がします。
なので、登場人物の誰かに感情移入することなく、淡々と読み進めることができます。

最近のお気に入りの作家さんです。