ジャック・サマ-スビー

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ジェラール・ドパルデュー、ナタリー・バイ主演のフランス映画の米版リメイク。
1890年代後半のアメリカ南部。戦争のために村を出た夫ジャック・サマースビーが、6年振りに帰ってきた。戦死したと思っていた男の帰還は、妻をはじめ、村人たちに動揺を引き起こす。
しかも、彼はかつての粗野で残忍な性格を潜め、まるで別人のように振る舞う。
そんな彼が昔の殺人の罪で逮捕される。法廷でサマースビーの妻は「夫ではない」と証言する…果たして、彼は誰なのか。リチャード・ギアジョディ・フォスター共演。衝撃のクライマックスが感動を呼ぶ、ミステリアス・ラブ・ストーリー

まだDVDが登場する前に、レンタルビデオしていた時代に一度見ていました。
元々R.ギアが好きだったこともあり、何作も続けて見たのですが、
なかでも印象に残る作品の一つで、今回改めて見てみました。

あら~、J.フォスターだったんだ~!とお間抜けな感じのオープニング。
1993年作品なので、二人とも若いですよ!!

6年ぶりに戻ってきた夫に、多少の違和感を感じる妻。
戦争があったし、6年も経っているからと、
きっと自分を納得させながら、一緒に暮らしていたのでしょう。

夫を見つめる妻の瞳は、決して穏やかではありません。
なぜ、寝室が一緒じゃないんだろう。
なぜ、キスもしないんだろう。

そんな疑問は、少しずつ明らかになっていくのですが、
それと同時に、夫婦の関係が以前と違うということが分かっていきます。

「別人だと、妻なら分かります」

力強い言葉です。

「愛しているから、夫ではない」

悲痛な叫びです。

後半の裁判シーンは、ちょっと錯覚。
R.ギアの得意とするシーンのような気がして、現代物みたいでした。
J.フォスターは、若い頃からクールビューティです。

そのシーンからラストまで、息を呑みます。

ジャックとして生きていくことを選んだこと。
帰る家が欲しいと訴えたこと。
そんな生き方じゃなくてもいいじゃない!と思ってしまうけど、
彼には選べなかった…。
選ぶ必要はなかった。

ジャックとして生きようと帰った時から、
ローレルに出会った時から、
すでに決まっていたんでしょうね。

切ない作品ですが、好きな作品の一つです。