パンズ・ラビリンス

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ブレイド2」「ヘルボーイ」のギレルモ・デル・トロ監督が「デビルズ・バックボーン」に続いて再びスペイン内戦を背景に描く哀切のダーク・ファンタジー。再婚した母に連れられ、山中でレジスタンス掃討の指揮をとる冷酷な義父のもとへとやって来た空想好きの少女は、やがて残酷な現実世界から逃避し森の中の不思議な迷宮へと迷い込んでいくが…。イマジネーションあふれるヴィジュアルと深いテーマ性が高く評価され、いわゆるジャンル映画でありながら数々の映画賞を席巻する活躍で大きな注目を集めた話題作。
 1944年のスペイン。内戦終結後もフランコ政権の圧政に反発する人々がゲリラ闘争を繰り広げる山間部。内戦で父を亡くした少女オフェリアは、臨月の母カルメンと共にこの山奥へとやって来る。この地でゲリラの鎮圧にあたるビダル将軍と母が再婚したのだった。冷酷で残忍な義父に恐怖と憎しみを募らせるオフェリア。その夜、彼女は昆虫の姿をした不思議な妖精に導かれ、謎めいた迷宮へと足を踏み入れる。そこでオフェリアを出迎えたパン<牧神>は、彼女が地底の魔法の国のプリンセスの生まれ変わりで、満月の夜までに3つの試練を乗り越えれば、魔法の国に帰ることが出来ると告げる。オフェリアはその言葉を信じて、与えられた3つの試練に立ち向かう決意を固めるのだったが…。(allcinema)


だから少女は幻想の国で、
永遠の幸せを探した。


2006年 メキシコ/スペイン/アメリカ製作




ファンタジーというと、お子ちゃま向けの優しい内容の作品を思ってしまいますが、
この作品は違います。
ダーク・ファンタジーという言葉も目にしましたが、まったくその通りでした。


1994年。スペイン内戦が終結した時代。
まずそこが普通のファンタジーとは違っています。
映像も暗めです。

主人公のオフェリアは、子供だけど子供ではない。
時々驚くような艶っぽい表情もしたりします。
オフェリアはどうしても義父を受け入れられずに、気がつけばおとぎ話の世界に入り込んでいました。


現実の世界とおとぎ話の世界。
この二つがどう結びついていくのか、気になりました。

現実の世界はとにかく残酷で寂しくて、オフェリアには耐えられなかったのです。
だからおとぎ話の世界に逃げ込んだのでしょうか。


魔法の国が本当に存在したのか、何とも言いようのない描かれかただと思います。
義父にパンが見えていなかったシーンでは、オフェリアの想像の世界なのかと思わせ、
でもパンの魔法で、母親の体調が回復していくあたりは、それが存在するかのように思え…。

それは観た人次第でいいのかもしれませんね。


現実のシーンは残虐で、PG-12というのも頷けます。
けれど、そういう時代があったのだと、知らせてくれます。
戦争は残酷です。


現実は悲しく、でもおとぎ話の世界も決して楽しいことばかりではありません。
王女に戻るための3つの試練は、過酷でしたから。


ラスト…。
これをハッピーエンドとするかどうかも、観る人に委ねられている気がします。


個人的には、これでオフェリアが救われた気がして、受け入れることにしました。
ひとりで生きていくには、オフェリアにとって現実は辛すぎたと思うので…。