ジェシー・ジェームズの暗殺

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アメリカ西部開拓時代の伝説的アウトローにして、いまなお南部の人々に愛される英雄ジェシー・ジェームズと、彼を慕いながらも最終的に彼を背後から撃ち殺した卑怯者としてその名を残すロバート・フォードとの切なくも皮肉な運命を、荒涼とした西部の美しい風景と共に描くウエスタン・ドラマ。出演は、ジェシー・ジェームズ役にブラッド・ピット、ロバート・フォード役にケイシー・アフレック。監督は「チョッパー・リード 史上最凶の殺人鬼」のアンドリュー・ドミニク
 南北戦争後、仲間を率いて強盗や殺人など無法の限りを尽くした重罪人、ジェシー・ジェームズ。一方で、戦勝軍である北軍側政府の圧政に苦しむ南部州民からは抵抗の象徴として次第に英雄視されていく。そして、最初の強盗から15年あまりが過ぎた1881年。長い逃亡生活で神経をすり減らすジェシーだったが、兄フランクと新たな列車強盗を企てようとしていた。そんな彼の前に、自分を懸命に売り込もうとする一人の若者が現われる。ジェームズ一味のメンバー、チャーリーの弟で、ジェシーを人一倍崇拝する小心者の青年ロバート・フォード。フランクが相手にしようとしなかったこの青年を、ジェシーは一存で仲間に迎え入れるのだったが…。(allcinema)


あこがれて こがれて、心がつぶれた。

原題:THE ASSASSINATION OF JESSE JAMES BY THE COWARD ROBERT FORD


2007年作品




ジェシー・ジェームズが何者か、前もって調べておけばよかったと反省。
ブラピ君が好きだから、それだけでレンタルしたんですけど…。


まず、ジェシー・ジェームズが何者か詳しい説明がないので、よく分からないままに進んでしまいました。
冒頭からしばらくは、登場人物を追いかけるのに必死で、何が起こっているのか分からない…。
そんな状態だから、睡魔に襲われてしまっても仕方ないかと。


ところが、ブラピ君扮するジェシーが主役ではない?と思い始めたところから、
俄然面白くなっていきました。

つまり、ジェシーを描きたかったわけではなくて、彼を慕っていたロバートの心模様を描いた作品だったのです。


慕っているジェシーは、感情の起伏が激しく、
穏やかな時でさえ、次に殺されるのは自分かもしれないと思わせる人物でした。
だからこそロバートは魅かれたのかもしれません。

無法者ではあったけれど、家族を愛していた。

もしかしたら自分もジェシーに受け入れられるかもしれない、と思ったのか。

ロバートは、自分を守るためにジェシーを撃ってしまう。
そうしなければ、自分が殺されるから。
そういうお互いの持つ猜疑心から起こる悲劇。。


暗殺した後からがまた面白くなります。
ロバートが暗殺シーンを芝居で見せるなど、ロバートはジェシーになりたかったのでしょうか。

ジェシーになりたかった男」は、結局「ジェシーを背後から撃った卑怯者」という烙印を押されてしまうのです。

それから、ジェシー自身、ロバートに殺すよう仕向けたかのように見えたのですが、
そのあたりの真実は、きっと分からないんでしょうね。


地味ですが、心理ドラマとして観るといい作品です。


ブラピ君は、珍しい役どころだったように感じますが、
抑えた中に秘めた荒々しさを表現していたようです。
いい役者さんになってますね。