テラビシアにかける橋

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キャサリン・パターソンの同名ロングセラー児童文学を映画化した感動ファンタジー・ドラマ。多感な少年期の主人公が大人びた転校生の少女に気後れを感じながらも、ふたりで森の中に空想の王国をつくり互いの絆を深めていく姿を、ファンタジックな映像表現の中に年頃の少年少女のリアルな心情描写を盛り込みほろ苦くもエモーショナルに綴る。主演は「ザスーラ」のジョシュ・ハッチャーソンと「きいてほしいの、あたしのこと ウィン・ディキシーのいた夏」のアンナソフィア・ロブ。監督は「ラグラッツ」などのアニメ作品の製作で定評のあるガボア・クスポ。これが実写映画監督デビュー。
 田舎の町の貧しい家庭に育った小学5年生の少年ジェス。学校ではいじめられ、女ばかりの家の中でも疎外感を抱き、孤独な日々を過ごしていた。そんなある日、彼は隣の家に引っ越してきたばかりの風変わりな転校生の少女レスリーと出会う。裕福な家庭の一人娘で自由奔放な彼女とジェシーは何もかも対照的だったが、次第に仲良くなっていく。やがてふたりは小川を越えた森の中に分け入り、そこでふたりだけの空想上の王国“テラビシア”をつくり上げ、王と王女として君臨して冒険に満ちた楽しい時を過ごすようになるのだったが…。(allcinema)


この橋を渡れば、
またきみに会える


原題:BRIDGE TO TERABITHIA




2007年作品


タイトルが気になっていた作品でした。
ファンタジー物らしい、くらいの知識でしたが、ドーンと胸を打たれてしまいました。
久しぶりに、泣きました…。


人は“死”をどうやって乗り越えていくのでしょう。



いじめられっ子で友達もいなくて、貧しい家庭のジェスと、
隣に引っ越してきた、裕福な家庭のちょっと変わったレスリー

ふたりが少しずつ仲良くなっていき、森の奥で“空想の国”を作り出す辺りは、
特別でもないファンタジードラマなのですが、
ふたりの背景も丁寧に描かれていています。

ジェスが家庭でも孤立していることや、それから逃れるために絵を描いています。
レスリーは家庭環境もよく、親子関係はジェスが羨ましがるほどです。
ただし、自由で他人を気にしない性格が災いして、学校ではジェス同様のけ者扱いされたりもします。


ジェスが、若い女教師に憧れる気持も微笑ましかったり、
“空想の国”がどんどん居心地のいい空間になっていったり、
学校でも少しづつ変わっていったりと
決して華やかさはないのですが、ふたりの成長ぶりを見守っていたのですが…。




前述した“死”は突然やってきました。

映像的になんだか嫌な感じはしたのですが、これは辛かったです。

ジェスが放心状態になってしまったのも仕方ありません。
“死”を受け止められる年齢ではないのですから。

それを救ってくれた周囲の大人たちが良かったですね。

学校の先生は、泣いていいんだよと語り、
憧れの音楽の先生は、乗り越えていこうと歌います。

厳しく、叱られてばかりだった父からは、
ここで教えてもらったことを忘れなければいいんだよと諭されるのですが、
そこでようやくジェスは泣くことができたのです。

そして優しい救いの後で、ジェスは自分自身で立ち直っていくようでした。




精神的に成長したジェスと、その妹が向う“空想の国”には、きっとレスリーもいるんだよ、
少しだけ、そう匂わせてほしかったですね。
だってそこを教えてくれたのはレスリーだったのですから…。


心を開いて見ればいい、そうすれば心が自由になって生きていける…。