おくりびと(2008)

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本木雅弘が遺体を清め棺に納める“納棺師”を真摯かつ繊細に演じる感動のヒューマン・ドラマ。ひょんなことから納棺師となった主人公が、特殊な仕事に戸惑いながらも次第にその儀式に大きな意義を見出していく姿と、故人を見送る際に繰り広げられる様々な人間ドラマをユーモアを織り交ぜ丁寧な筆致で描き出す。共演は広末涼子山崎努。監督は「木村家の人びと」「陰陽師」の滝田洋二郎。また、脚本には映画脚本は初挑戦となる売れっ子放送作家小山薫堂が当たった。
 チェロ奏者の大悟は、所属していた楽団の突然の解散を機にチェロで食べていく道を諦め、妻を伴い、故郷の山形へ帰ることに。さっそく職探しを始めた大悟は、“旅のお手伝い”という求人広告を見て面接へと向かう。しかし旅行代理店だと思ったその会社の仕事は、“旅立ち”をお手伝いする“納棺師”というものだった。社長の佐々木に半ば強引に採用されてしまった大悟。世間の目も気になり、妻にも言い出せないまま、納棺師の見習いとして働き始める大悟だったが…。(allcinema)


キレイになって、逝ってらっしゃい。




14日はTOHOデーで、どなたでも1000円という日です。

日曜日だから多いだろうな~と思いながら出かけてみると…。
ネットで買っとけばよかったと反省する、凄まじい行列でした。
おかげで前から2列目しか取れないという有様でした。


隣は20代かなと思われる若者カップルがふた組。
(携帯はバイブでもうるさいから、電源切るかサイレントモードにしましょう!)
けれど全体的に年齢層は高めのようでした。


こういう作品は、映画館で観ると辛いですね。
あちこちで涙が溢れてるシーンに出くわすのですから…。


納棺をこんなふうにしたかな、と、親の葬儀を思い出しても意識にはなく、
とても神聖な儀式でした。

もっくんの所作が綺麗で、ずいぶん勉強したんだろうなと感じました。


全編に渡って人の関わりと死が描かれているので、
身近な人を亡くした人にとっては、感じることの大きい内容だと思いました。

どうやって死にたいか…。
という投げかけにはまだ実感はありません。
どうやって送りたいかということは、頭の片隅にでも置いておく必要のあるんだよ。
親は先に逝くんだからね。
と、隣で携帯がうるさかった若者カップルに言えたらよかったかな。


キャストも素晴らしく、
人の良さそうな銭湯のおばちゃんの吉行和子
50年来銭湯に通い続けたおじさんの笹野高史は、そういう仕事だったのねと納得し。
納棺師の山崎努は真面目に笑わせてくれるし、
余貴美子は不思議な事務員さんを演じています。

主役はもちろん、どんな人がどんな演技をしているかで深みが増すと思うので、
今作品は、そういう意味でも見ごたえがありました。


人生最期の買い物は他人が決めるんだよ~。
と言った事務員さん・余貴美子の台詞が納得なんだけど妙にシュールでした。

夫は納棺師ですと言い切った奥さん・広末涼子の笑顔は誇らしげでした。
そう、決して忌み嫌うお仕事ではありません。
人は皆、いつか死んで行くんですから…。


もっくんのチェロ演奏に絡めて、全編流れる音楽が素敵でした。



実体験とオーバーラップする作品で、笑って泣いて、心に沁みました。