譜めくりの女

イメージ 1ピアニストへの夢を絶たれた少女が、その原因をつくった女性ピアニストへの復讐を果たすべく、“譜めくり”となって彼女に近づき、周到かつ非情な罠を張り巡らせていくさまを緊張感あふれるタッチで綴る心理サスペンス。主演は「女はみんな生きている」「地上5センチの恋心」のカトリーヌ・フロと「ある子供」のデボラ・フランソワ。監督はこれが長編5作目となるドゥニ・デルクール
 物静かな少女メラニーの夢はピアニストになること。その実現に、並々ならぬ情熱を注いできた彼女だったが、コンセルヴァトワールの入学試験で、審査員を務める人気ピアニスト、アリアーヌの無神経な態度に心を乱され、散々な結果に。これによって夢を諦めたメラニー。十数年後、美しく成長した彼女は、アリアーヌとの再会を果たす。2年前に交通事故の被害に遭い心に傷を負ったアリアーヌは、演奏に対する恐怖心を拭えず苦悩していた。やがてメラニーはそんな彼女の信頼を勝ち取り、演奏会での“譜めくり”役に抜擢されるのだが…。(allcinema)


2006年 フランス製作作品


あなたがいないと、だめになる


原題:LA TOURNEUSE DE PAGES




何を観るか、情報というのはいろいろですが、
今回の作品は、レンタルしたDVDの新作情報で出合いました。

音楽が絡むので観てみました。



メラニーコンセルヴァトワール受験で起こったことは、
これは違反でしょう~!
思わず声に出ていました。

集中力が切れた演奏がどうなるか、それを想像するのは簡単でした。


受験後、自宅に戻ったメラニーの行動が強い意志を感じました。

そして始まったメラニーの復讐劇…。


成長したとはいえ、二十歳そこそこのメラニーにここまで計画できたかどうか、
そんなことを考えたら、いかにも作り物にみえてしまうのでしょうが、
その辺りは深く考えず…。



感情を現さずに行動していくメラニーは、色の白さもあってとても冷たく感じます。

そして淡々と、自分の夢を壊したピアニストとその家族に接していきます。


ピアニストの息子には、ゆっくりと時間をかけて指や腕を痛めるように仕組み、
ピアニスト本人には、心の支えを、演奏会という一番大事な時に失くすように仕向け、
そして最後はこの家族の崩壊を見ないままに、去って行き…。

メラニーに感情移入するというわけではなく、メラニーが何をするのかを、
ある意味期待を持って観ていました。


人生を賭けた受験を他人のせいで失敗したとしたら、
ここまでやるかもしれない…?
そんなことを考えたりしますが。


大事な受験です。
自分の失敗なら諦めもつくでしょうが、他人の、それも同じ音楽家の無神経な行為は、
やはりどうしても認められません。


ピアノを弾く立場としては、メラニーに甘くなってしまいますね。