幻影師アイゼンハイム

イメージ 1ピュリッツァー賞受賞作家スティーヴン・ミルハウザーの同名短編小説を「レッド・ドラゴン」「25時」のエドワード・ノートン主演で映画化した幻想ミステリー・ロマンス。19世紀末のウィーンを舞台に、身分の差ゆえに一度は諦めた初恋の女性を巡って、一人の天才幻影師が自らの奇術を駆使して時の皇太子に果敢に立ち向かう姿を、妖しくも格調高く描き出す。共演はポール・ジアマッティルーファス・シーウェルジェシカ・ビール。監督はこれが長編2作目の新鋭ニール・バーガー
 19世紀末、ハプスブルグ帝国終末期のウィーン。イリュージョンが見せ物として隆盛を誇る中、天才と評され絶大な人気を集める幻影師、アイゼンハイム。ある日、評判を聞きつけた皇太子レオポルドが観覧に訪れる。ショーの途中、皇太子が同伴していた婚約者を舞台に招いたアイゼンハイムは、彼女が幼なじみのソフィと気づき動揺する。かつて2人は互いに愛し合いながらも、階級の壁の前に引き離されてしまったのだった。そんなアイゼンハイムは王宮に招かれた際、皇太子の前で挑発的な態度に出る。これに逆上した皇太子は、自らに仕える警部ウールにアイゼンハイムの追い落としを命じるのだったが…。(allcinema)


すべてを欺いても
手に入れたいもの、
それは君。


原題:THE ILLUSIONIST


2006年 アメリカ/チェコ製作作品



タイトルとコピーが気になって、劇場で観たかった作品でした。

まず感じたのは、アメリカ人俳優を使いながらヨーロッパの雰囲気が感じられたことでしょうか。
ウィーンが舞台なのに英語?という違和感があまりなかったこと。
出来上がった作品の質の良さを感じました。


これはラストを語ってはいけない作品の一つです。
そんなことをすれば、驚きや感動を台無しにしてしまうからです。

なので、なぞ解きはご覧になっていただくとして…。


イリュージョニストが主人公なので、CGが主役となるはずなのですが、
ストーリー展開に入り込むと、それが気にならなくなり、
観客の一人としてアイゼンハイムの繰り出すイリュージョンを楽しむことができます。

アイゼンハイムを演じる“エドワード・ノートン”。
彼の手さばきは、かなり特訓したのかなと思わせるほど美しく見事でした。

この作品は、コピーがすべてを語っています。
“すべてを欺いても 手に入れたいもの、それは君。”
そうです。
これは恋愛物なのです。

身分違いの恋を成就させるために、アイゼンハイムが人生最大のトリックを仕掛ける。
その相手が皇太子。
この皇太子も中々憎らしくて良いのです。
恋敵はこうでなくっちゃ!



そして最大のイリュージュンが始まりますが、まさか自らをも消してしまうとは…。
それからラストまでは、ドキドキの連続です。
仇打ちだからこそ、アイゼンハイムのイリュージョンが冴えていくのだと思いっていましたが…。


どうやってこの物語を終わらせるのか、期待と不安の時間は、
ラストで見事に完結していきます。

アイゼンハイムを逮捕しようとしていた警部が、ラストですべてを悟って見せる表情に、
観客と化していた私も同じように衝撃を受け、そして大きな感動を覚えました。


恋愛ドラマとイリュージョンとを楽しめる作品です。
…そして騙されることも楽しみましょう。

音楽に同じ匂いがしたのですが
ジョニー主演の【シークレット・ウィンドウ】と同じ人でしたね(^^)