Four Past MidnightⅠ ランゴリアーズ

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真夜中のジャンボ機 眠りから覚めた者たちを驚愕が襲う。たった11人を残し、他の乗客がみな消えているのだ。しかも眼下にあるはずの街まで…想像を絶する危機と戦う男女を描く表題作。盗作の疑惑に追いつめられる作家の物語「秘密の窓、秘密の庭」。中篇集と称しながら、実は長篇二本分の分量の作品を収録した贅沢な一冊(カバー裏)




スティーヴン・キング

文春文庫



「秘密の窓、秘密の庭」を読みたかったのですが、巷の書店には置いてなくて、
すっかり忘れた頃に出合った一冊です。

ご存じのとおり「秘密の窓、秘密の庭」はジョニー・デップ主演の【シークレット・ウィンドウ】の原作です。
かなりの厚さに一瞬迷ったので、まずは「秘密の窓、秘密の庭」から読み始めました。


「あんた、おれの小説を盗んだな」というセリフから始まります。
落ち目の作家、モートン・レイニーは、妻との離婚手続きも終わり、一人で夏用の別荘に移り住んでいます。
そこへ見知らぬ男が突然尋ねてきて、そう言ったのです。
自分が書いたという小説の原稿を置いて帰ります。
それは、モートンが書いた短編の小説「種蒔く季節」にそっくりだったのですが、
モートンは盗作した覚えがありません。

さてその真相はいかに…?

かなり原作に忠実に映像化したことが分かりますが、結末が変えてあるので、
映画を観てから読んでも、もちろん原作を読んでから観ても、
どちらでも楽しめるところが良いですね。


モートンを演じたのがジョニーだったわけで、読みながらやはりジョニーが浮かんできます。

映画とは違った、ちょっと怖い結末が待っています。



そして「ランゴリアーズ」。
こちらは、いったい何が起こったのか、今どこにいてどうなっているのか、
本当に想像力が必要な作品です。

L.A.からボストンに向かう夜行便の飛行機。
目が覚めたら、11人以外に人がいない。
飛行機の計器類に異常はない。
だが、外の様子がおかしい。
眼下に見えるはずの街の明かり、高速道路の自動車のライトなどが全く見えないのだ。
自分達以外、全ての人が消えてしまったらしい。

そしてそこに現れるランゴリアーズとはいったい?

燃料が心配な飛行機。
精神不安定になった乗客の言動。

そりゃ、怖いわ。
とつぶやいてしまう展開です。

でもご心配なく、
こちらは、ちゃんとハッピーエンドが待っております。