西の魔女が死んだ

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梨木香歩の同名ロングセラー児童書を映画化したハートフル・ストーリー。登校拒否になり田舎に暮らす英国人の祖母のもとに預けられた中学生の少女が、自然あふれる美しい庭に囲まれた素朴な田舎暮らしと祖母の優しい愛に包まれて日々を過ごす中で、次第に心の傷を癒やし成長していく姿を綴る。主演は大女優シャーリー・マクレーンの娘サチ・パーカーと新人・高橋真悠。監督は「誘惑者」「8月のクリスマス」の長崎俊一
 少女まいは中学に進んで間もなく登校拒否になってしまう。娘の扱いに困ったママは、彼女が“西の魔女”と呼ぶおばあちゃんのもとにまいを預けることに。おばあちゃんは英国人で、日本人の夫に先立たれてからは田舎で一人暮らしをしていた。そんなおばあちゃんとの田舎暮らしはまいにとって驚きと感動の連続。やがて、魔女の家系の末裔だというおばあちゃんは、魔女が持つ不思議な力についてまいに語る。自分にもその血が流れていると教えられたまいは、魔女になりたいと願い、おばあちゃんの指導の下、“魔女修行”を始めることになるのだが…。(allcinema)



人はみんな
幸せになれるように
できているんですよ


2008年製作作品

監督:長崎俊一
おばあちゃん:サチ・パーカー
まい:高橋真悠




公開時、チラシの色合いが好きで、タイトルが不思議な響きを持っている気がしていた作品です。


特に大きな感情の動きがあるわけではありません。

登校拒否になった娘にさえ、母親は感情をあらわにすることもなく、
淡々と祖母の家で暮らすことを勧める…。

「扱いにくい子」だから、母親は手を放そうとしているのかな。
そんな風に感じた始まりでした。


おばあちゃんの家は緑に囲まれた所にあって、俗世界から隔離された感じさえします。

ハーブや野菜が育つ庭。
ニワトリが産んだばかりの卵を食べる朝食。
野いちごでジャムを作る。
裸足で足踏みするたらいでの洗濯。


そんな中でおばあちゃんは「あなたを信じているから何も聞かない」と言います。


ただ自分の感情をぶちまけるのではなく、相手を信じて見守る…。

大人はこんな風に子供に接しないといけないのかな、と、
「扱いにくい子」となりつつある生徒のことを思ったりしました。


おばあちゃんは、上手にまいをリセットして新しい生活へ向かわせます。
はやね はやおき 食事をしっかりとってよく運動し、規則正しい生活をする
魔女修行と言いながら、人として基本的なことを説いていたのです。


こんな大人でありたいと思い、こんな指導者でありたいと思わせてくれる作品でした。


ちょっと辛い別れをしてしまったまいとおばあちゃん。
時に子供は残酷だ、と思っていまいましたが、そこはおばあちゃん。
自らまいに歩み寄ったラストでした。


まいはどんな大人になるのでしょうね。