スラムドッグ$ミリオネア (2008)

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トレインスポッティング」「28日後...」のダニー・ボイル監督が、インドを舞台に撮り上げたバイタリティに満ちあふれた社会派エンタテインメント大河ラブ・ロマンス。原作はヴィカス・スワラップの『ぼくと1ルピーの神様』。日本でもお馴染みのクイズ番組で史上最高額まであと1問と迫ったスラム育ちの青年が語る過酷にして波瀾万丈の生い立ちが、多彩な要素を巧みに織り込みつつスリリングかつ躍動感いっぱいに描かれてゆく。世界中で数々の映画賞を獲得し、ついにはアカデミー賞で作品賞を含む最多8部門を受賞する快挙を成し遂げた。
 インドの国民的人気番組“クイズ$ミリオネア”。この日、ムンバイ出身の青年ジャマールが、次々と難問をクリアし、ついにいまだかつて誰も辿り着けなかった残り1問までやって来た。ところが、1日目の収録が終わりスタジオを後にしようとしたジャマールは、イカサマの容疑で警察に逮捕されてしまう。スラム育ちの孤児でまともな教育を受けたこともないジャマールがクイズを勝ち抜けるわけがないと決めつけ、執拗な尋問と拷問を繰り返す警察。ジャマールは自らの無実を証明するため、これまでに出された問題の答えは、すべてストリートで生きながら学んだと、その過酷な過去を語り始めるのだったが…。(allcinema)

運じゃなく、運命だった。


製作国 イギリス/アメリ

監督: ダニー・ボイル
共同監督: ラヴリーン・タンダン
原作: ヴィカス・スワラップ
『ぼくと1ルピーの神様』(ランダムハウス講談社刊)
脚本: サイモン・ボーフォイ
音楽: A・R・ラーマン
出演: デヴ・パテル ジャマール・マリク
   マドゥル・ミッタル サリーム・マリク
   フリーダ・ピント ラティカ
   アニル・カプール プレーム・クマール
   イルファン・カーン 警部



連休最終日は水曜日。
これはもう観るしかないでしょ。
ということで、ようやくの鑑賞となりました。

もちろん連休ということもあるでしょうが、やはりアカデミー賞受賞の威力でしょうか。
日ごろにはない観客数でした。


噂どおりの作品なのですが、泣けるような内容ではなかったかな。

スラム街のストリートチルドレンの疾走するスピード感や、ムンバイの街の熱気は、
勢いがあって、こちらもそこにいるように感じるほどでした。

その後の、子供たちの過酷な日々は目を覆いたくなります。

生きるための手段は、誰が教えたというものではなく、
自らが生み出したもので、その生命力は感動に値します。

クイズ番組が主になる後半、その強烈な生命力感に欠けたのが残念でした。



ジャマールとラティカのラブストーリーです。
それなのに、私は全編を通してジャマールの兄サリームに惹かれたのです。

最初は弟をいじめる“いけすかない奴”だったのですが、
二代目頃から、ジャマールとは明らかに違うんだと感じるようになりました。
自分の生き方に正直に、真っ直ぐな目を向けるジャマール。
サリームは弟を大切にしたいと思いながらも、それを上手に表現できない、
不器用さが感じられたのです。

サリームがしてきたことは、生きるための手段だったのです。

確かにラティカのことはあったかもしれないけど、
ジャマールを人買いから救ったのも、最後にラティカを解放したのも、サリームだったじゃない…。


そう思う私には、クイズ番組で頑張るジャマールの影は薄かったです。



クイズ番組を媒体としていなくても、ジャマールとサリームの生き様は語れたでしょうが、
アカデミー賞受賞になったかどうかは…?


スラム街の子供たちの現実的な部分から、
クイズで全問正解して恋人と再会するおとぎ話的な部分まで、幅広い展開でした。