ゴーン・ベイビー・ゴーン

イメージ 1ミスティック・リバー」の原作者としても知られるデニス・レヘインの傑作ハードボイルド『愛しき者はすべて去りゆく』を、これが監督デビューとなるベン・アフレックが映画化した社会派ミステリー・サスペンス。ボストンを舞台に、少女誘拐事件の捜査を手伝うハメになった幼なじみの私立探偵コンビ、パトリックとアンジーが、事件の背後に広がる現代アメリカ社会の深い闇に直面して葛藤と苦悩を抱え込んでいくさまを痛切に描き出す。主演は、監督の弟でもある「ジェシー・ジェームズの暗殺」のケイシー・アフレックと「M:i:III」のミシェル・モナハン。共演にモーガン・フリーマンエド・ハリス。また、誘拐された少女の母親ヘリーンを演じたエイミー・ライアンがアカデミー助演女優賞ノミネートをはじめ多くの賞を受賞するなど高い評価を受けた。
 パトリック・ケンジーとアンジー・ジェナーロは、ボストンで私立探偵として働く幼なじみのカップル。ある日、4歳の少女アマンダが誘拐される事件が発生、テレビでも大きく取り上げられ、ボストンの街は騒然となる。そして、事件発生から3日目、警察の捜査に進展が見られない中、アマンダの叔母夫婦が、街の裏側に精通するパトリックたちのもとに捜索依頼に現われる。人捜しと言っても単なる失踪ではなく、警察が捜査中の誘拐事件であり、自分たちの出る幕ではないと、あまり乗り気でないパトリックとアンジー。さらに、アマンダの母親ヘリーンにかなり問題があることが次第に明らかとなり、ますます気の重い2人。それでも叔母の必死な願いを聞き入れ依頼を引き受けた2人は、さっそく独自の人脈を使って事件の真相を探り始めるが…。(allcinema)


2007年 アメリカ製作作品
劇場未公開

監督: ベン・アフレック
原作: デニス・レヘイン 『愛しき者はすべて去りゆく』(角川文庫刊)
脚本: ベン・アフレック アーロン・ストッカード
音楽: ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
音楽監修: ニック・ハーコート
出演: ケイシー・アフレック パトリック・ケンジー
    ミシェル・モナハン アンジー・ジェナーロ
    モーガン・フリーマン ジャック・ドイル刑事
    エド・ハリス レミー・ブレサント刑事
    ジョン・アシュトン ニック・プール刑事
    エイミー・ライアン ヘリーン・マックリーディ



ジャケットにモーガン・フリーマンが映っていると、つい手に取ってしまう…。
そんな出合い方をする作品は、これで何本目かな。
けっこう劇場未公開、というパターンです。

主演のケイシー・アフレック
監督のベン・アフレックの弟だとはすぐに分かったのですが、
ブラピくんの【ジェシー・ジェームズの暗殺】ジェシーを殺した彼だったと知ると、
全然知らない役者さんだと思っていたのが、急に親近感を持ってしまいました。

原作は、“パトリックとアンジー”というシリーズ物で
今作の『愛しき者はすべて去りゆく』は4作目に当たるようです。

原作にもかなり興味が沸きます。


私立探偵のふたりのことが、本当はもっとはっきりと設定されているんだろうと、
本編ではあまり触れられなかった部分が知りたくなるのです。

本筋とは少し離れてしまいますが、
パートナーなのに、最後までパトリックとは協調しようとしない姿に、
きっとアンジーにも、今作の事件と関わる過去があるのかも、と思ってしまったのです。



ネタばれしてはいけない部類の作品です。
ただ、これだけの大物がキャスティングされていれば、
何かしら関わっているのではと、多少勘ぐってしまうのは仕方ないでしょう。


ただ行き着いた先は、やるせないものでした。

パトリック(C.アフレック)が選択した道は、決して間違ってはいないと思うのですが、
かといってドイル刑事(M.フリーマン)の言葉も沁みます。
「30年たてばもう少し世の中が見えてくる」

若さゆえの正論で突き進んだパトリックに、その言葉がどう聞こえたのか…。
そして最後に見た光景に、自分の選択が正しかったと言い切れるのか。



果たしてどんな選択が最善だったのか…。
この作品ではひとつの結果が描かれていますが、
もしかしたら違った選択、違った結果もあったかもしれません。


人はそんなに簡単には変われない。
でもそれではあまりに希望が見えないから、変われると願いたい。
希望を見出したいと願うラストでした。


あなたなら、どんな選択をしますか。


エド・ハリス
見なれた風貌ではなかったのでかなり驚きましたが、
M.フリーマンと並んで、しっかりと作品を支えていました。
好きな役者さんの一人です。