アウェイ・フロム・ハー 君を想う

イメージ 1 「死ぬまでにしたい10のこと」「あなたになら言える秘密のこと」の実力派女優サラ・ポーリーが、弱冠27歳にして記念すべき長編映画監督デビューを飾った感動ヒューマン・ドラマ。原作はアリス・マンローの短編『クマが山を越えてきた』。認知症という悲劇に直面した老夫婦の心の葛藤と深い愛を静かに見つめる。認知症の妻を演じたジュリー・クリスティには多くの賞賛が寄せられ、ゴールデングローブ賞主演女優賞をはじめ数々の映画賞を受賞した。共演は「リトル・ランナー」「シッピング・ニュース」のゴードン・ピンセント。
 結婚して44年になるグラントとフィオーナ。決して良き夫とは言えない過去もあるグラントだったが、いまはフィオーナを深く愛し、夫婦仲良く穏やかな日々を送っていた。ところがやがて、フィオーナをアルツハイマー認知症の悲劇が襲う。物忘れが激しくなったフィオーナは、ついに自ら老人介護施設への入所を決断する。施設の規則で入所後30日間、面会を許されなかったグラント。そしてようやく訪れた面会の時、フィオーナはグラントを覚えていないばかりか、彼の前で車椅子の男性オーブリーに対し親しげな振る舞いを見せるのだった。その後も日増しに深まっていく2人の仲を目の当たりにして動揺を隠せないグラントだったが…。(allcinema)


君を幸せにできるなら、この孤独を受け入れよう

2006年 カナダ製作作品
原題:AWAY FROM HER


監督: サラ・ポーリー
原作: アリス・マンロー 『クマが山を越えてきた』(新潮社刊『イラクサ』所収)
脚本: サラ・ポーリー
音楽: ジョナサン・ゴールドスミス
出演: ジュリー・クリスティ/フィオーナ・アンダーソン
     ゴードン・ピンセント/グラント・アンダーソン
    オリンピア・デュカキス/マリアン
    マイケル・マーフィ/オーブリー




DVDのジャケットが何とも素敵なのと、認知症を扱っているということで鑑賞しました。


こういうのを“夫婦愛”というのでしょうか。

長年連れ添ったご主人を束縛したくないからと、自ら老人介護施設へ行くことを決める妻。
その妻を、施設へ入れたことの後悔から毎日見舞いに訪れる夫。

施設での生活に慣れる妻と、その事実を受け止められない夫。

夫・グラントは自分を忘れていく妻・フィオーナに最初は戸惑ったものの、
それがフィオーナの喜びなら受け入れようとします。

ここは観ていて辛かったです。
愛する人が自分を忘れていく…。
想像もできないことです。


今、元気でいても、明日のことは分からない。
最愛の人との関係が壊れていくことは、苦痛以外のものではないはずです。

それでも生きていかなくちゃいけないんだから、
グラントが新しい人生に向かっていこうと思うことは理解できるのですが、
問題は、最愛の人が存在するということなのです。

存在するから切り離せない。


グラントは、過去の過ちから逃れられず、フィオーナい対して負い目がある…。
だからこそ最後まで彼女を愛し続けたいのです。
精一杯尽くしたいのです。

最後にフィオーナがグラントを認めて発した言葉…。



ふたりにとっていったい何が幸せなのか。
そんなことを考えさせられたラストでした。