エデンの東

イメージ 1名匠カザンがシネマスコープをドラマ表現において見事に使いこなしたことや、J・ディーンのあるがままの“演技”、L・ローゼンマンによる忘れらない主題曲……。秀作の要素が嫌味なくらいに揃った、しかし、やるせない宿命に喘ぐ青春を描いて、これほどの達成はなかろう。原作は言わずと知れた旧約聖書カインとアベルを下敷きにしたスタインベックの長篇で、映画はその一部を元にしただけだが、小説のエッセンスが全て凝縮されている。温厚な兄だけが父に可愛がられ、冷たくされる自分の出生に疑問を持った、大農場を経営するトラスクー一家の問題児キャルは、彼らを捨てて出奔した母(凄みのある名演J・V・フリート=オスカー助演賞)の行方を突きとめ、予想に反する答えを聞く……。そして、涙なしには観られない結末も素晴らしい。兄の婚約者で次第にキャルに魅かれてゆくエイブラに扮するJ・ハリスの母なる包容力も印象的だ。しかし、それにしてもジミー・ディーンである。(allcinema)


1954年 アメリカ製作作品
原題:EAST OF EDEN

監督: エリア・カザン
原作: ジョン・スタインベック
脚本: ポール・オズボーン
音楽: レナード・ローゼンマン
出演: ジェームズ・ディーン/キャル・トラスク
    ジュリー・ハリス/エイブラ
    レイモンド・マッセイ/アダム・トラスク
    リチャード・ダヴァロス /ーロン・トラスク
    ジョー・ヴァン・フリート/ケート




パソコンテレビGyaOの6月配信に見つけた名作。
何んとなくは知ってるものの、記憶の片隅にしたなかったので観ることにしました。


全編を通して、ジェームズ・ディーンのための作品といえるくらい、
彼の一挙手一投足に注目してしまった。


父親は、キャルに別れた妻が見えたからキャルを遠ざけたのか…。
とにかくここまで相性の悪い親子というのもないかも、と思えます。
そんなふたりはいつでもすれ違ってしまうのですが、
父親の誕生日プレゼントですら、受け入れられなかったキャルの悲しみはどれほどだったか…。
泣きながら父親にすがるキャルには、救いは見えませんでした。

ただ褒めてほしかった、ただ愛してほしかった…。
孤独なキャルを、J.ディーンが見事に演じています。

上目づかいに見られたら、世の女性の目がハートマークになっても仕方ないかも(^^ゞ

そんなキャルに、兄の恋人が惹かれて行っても仕方ないかも知れません。
キャルのことを、最初「怖い」と言っていましたが、
それはイコール「気になる」ということだったのでしょう。

そのエイブラが、最後までキャルの味方をしている姿は、
恋人というより姉に近い存在に思えましたが…。

エイブラのおかけでふたりは和解するのですが、
もっと違った形で和解できていたら、トラスク家は幸せだったはずだと思うと、
父親の病気も、親子のいさかいが元で戦争へ行った兄も、不憫でなりませんでした。


世の中、そんなに思い通りにはいかないもんだと、世の無常を感じさせます。

自分と違う価値観を持った人であっても、
それを理解して受け入れていく人間でありたいと思った作品でした。


馴染みのあるテーマ曲を口ずさみながらの鑑賞でした。


《おまけ》
 エデンの東で検索すると、韓流ドラマが出てきました(^^ゞ
 紛らわしいったら!