悲しみが乾くまで

イメージ 1突然の悲劇で最愛の夫を失った女性が、夫の親友を心の支えに立ち直ろうとする過程で繰り広げられる葛藤と男女の心の機微を繊細に描き出す。主演は「チョコレート」のハル・ベリーと「トラフィック」のベニチオ・デル・トロ
 愛する夫ブライアンと2人の子どもに恵まれ幸せな結婚生活を送るオードリーだったが、ある日そのブライアンが路上で喧嘩に巻き込まれ射殺されてしまう。葬儀の当日、オードリーはブライアンの親友ジェリーの存在を思い出す。弁護士だったジェリーはヘロインに溺れて転落し、誰もが離れていく中、ブライアンだけは見放すことなく面倒を見てきた。そんなジェリーを疎ましく思っていたオードリーだったが、彼がブライアンのことを誰よりも理解していることを知り親近感を持ち始める。その後、喪失感に苛まれる日々に苦しむオードリーは、その日暮らしのジェリーに、しばらく自分の家で一緒に暮らしてほしいと申し出るのだった。(allcinema)


そう、きっとあなたを利用した。
夫を亡くした女は、夫の親友と暮らし始めた。

2008年イギリス/アメリカ製作作品
原題:THINGS WE LOST IN THE FIRE

監督: スサンネ・ビア
脚本: アラン・ローブ
音楽: ヨハン・セーデルクヴィスト
出演: ハル・ベリー オードリー・バーク
    ベニチオ・デル・トロ ジェリー・サンボーン
    デヴィッド・ドゥカヴニー ブライアン・バーク
    アリソン・ローマン ケリー
    オマー・ベンソン・ミラー ニール



家族を亡くしたときの喪失感というのは、経験した人じゃないと分からない。
とは思うけど、それでもオードリー(ハル・ベリー)は身勝手に映ったな…。

夫の親友・ジェリー(ベニチオ・デル・トロ)は
オードリーにとっては厄介者で、なぜ夫がそこまで信頼するか分からない。
でも夫がいなくなると、頼ったのはジェリーだったんだけど、
その辺りも、何だかすっきりしないのです。

「あなたが必要」ってホントにそうなのかな…。

どちらかといえば、ジェリーの存在を疎ましく思っていたんじゃなかったけ…?


でもジェリーは親友の奥さんだからと、そんな申し出を受けます。


良かれと思って子供たちとも仲良くなっていけば、
「そんな姿は見たくない」と怒りをぶつけられ、
眠れないからと、夫がしていたようにベッドでで添い寝させられたり…。

それでもジェリーは何とかオードリーに立ち直ってほしかった。
なのに「出て行って」と…。


オードリーは夫の死から、
ジェリーはヘロインから、立ち直っていく物語です。
お互いに、ひとりだったら成しえなかった。
そこに怒りをぶつける人がいたから、
必死で介護してくれる人がいたから、立ち直れたのです。


ベニチオ・デル・トロは凄い。
禁断症状に苦しむ姿は、本当に中毒だったのではと思うほどで、
焼きついて離れません。