十二人の怒れる男

イメージ 1既に法廷劇の代名詞となって久しい、アメリカ映画史に輝く傑作ドラマ。元々は高い評価を受けたTV作品で、その脚本・演出コンビによる映画版だが、そのいかにもTV向きの密室劇を上手くスクリーンに転化させた手腕は見事の一言。17歳の少年が起こした殺人事件に関する陪審員の討論が始まったが、誰が見ても有罪と思えたその状況下で、ひとりの陪審員が無罪を主張した事から物語は動き始める……。時には感情的に、時には論理的に展開される討論が、次第に無罪判決への流れに変わっていくスリルが、12人の点描と共に丹念に描かれていく。脚本のローズと共に製作を担当したH・フォンダをはじめ役者陣の充実ぶりも良く、特に最後まで有罪を主張するリー・J・コッブが強い印象を残す。今までの密室から一転、裁判所前で皆が別れていくラスト・シーンの解放感が快い。(allcinema)


1957年 アメリカ製作作品
原題:12 ANGRY MEN

監督: シドニー・ルメット
脚本: レジナルド・ローズ
音楽: ケニヨン・ホプキンス
出演: ヘンリー・フォンダ リー・J・コッブ エド・ベグリー マーティン・バルサム




2007年にロシアでリメイクされた方を先に観てしまったのですが、
さすがにオリジナルの底力を感じました。

決してロシア版も嫌いではなかったのですが、
オリジナルはとてもシンプルで、無駄のないシーンで綴っています。

暑いんだろうなと思わせる陪審員たちの大量の汗。
狭い部屋で、扇風機も回らず、冷静さも欠けるだろう状況で、
ヘンリー・フォンダが冷静にひも解いて行きます。

有罪とは思えない。
それがキーワードになって行きます。

ひとつずつ疑問を解決しながら進んで行く緊張感がいいです。

そして、結末もこちらの方が分かりやすい。
有罪だという確証がもてないから、有罪ではないという結論です。


う~ん。やはり軍配はこちらですね。


名作です。ぜひご覧ください。