リトル・ダンサー

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1984年、イギリス北部の炭坑町。11歳のビリーは炭坑労働者のパパと兄トニー、おばあちゃんと暮らしていた。ある日、ビリーの通うボクシング教室のホールにバレエ教室が移ってきた。ふとしたことからレッスンに飛び入りしたビリーは、バレエに特別な開放感を覚えるのだった。教室の先生であるウィルキンソン夫人もビリーに特別な才能を見出した。それからというものビリーはバレエに夢中になるのだが……。バレエ・ダンサーを目指す少年の姿を描いたS・ダルドリー監督の長編第1作。(allcinema)



僕がバレエ・ダンサーを夢見てはいけないの?

2000年 イギリス製作作品
原題:BILLY ELLIOT

監督: スティーヴン・ダルドリー
脚本: リー・ホール
音楽: スティーヴン・ウォーベック
出演: ジェイミー・ベル/ビリー
    ジュリー・ウォルターズ/ウィルキンソン先生
    ゲイリー・ルイス/パパ
    ジェイミー・ドレイヴン/トニー
    アダム・クーパー/ビリー(25歳)




ディファイアンス】を観たとき、ジェイミー・ベルという俳優を知り、
その彼のデビュー作だと知って観たかった作品です。

後回しになってしまったのがもったいないくらい、
もっと早くに出合っていたかったと思いました。


元々、踊ることに興味があって…自分が踊れないからかな(^^ゞ…。
踊る漫画も読んだし、踊る映画も観てきました。
そんな踊る映画の中でも、これは上位です。
そのくらい感動しました。


1980年頃のイギリスの情勢がイマイチ分かりずらいのですが、
ビリーは、あまり裕福な家庭で育ってはいないことが分かります。

ひょんなことでバレエに夢中になったビリーを、父親も兄も反対しましす。
「男がバレエなどするな!」と言って…。

それでも踊ることを諦められなかったビリー。

怒りとストレスを発散する路上でのダンス。
クリスマスに踊ったダンス。
先生とのダンス。

心を揺さぶる踊りが満載です。


季節や時間の移り変わりが、言葉でなく映像で感じさせることも素晴らしかったです。

そして、ビリーと先生・父親・兄との関係も
決してわざとらしさを感じさせずに描かれています。

合格した時の先生は、冷たく見えました。
…ビリーの才能を信じていたから、合格は驚きではなかったのでしょう。
大反対だった兄。
…発射するバスに「寂しいよ」と言います。
大反対だった父親の変化。
…最後はきっと涙でビリーの踊りは見えなかったでしょう。


ラスト…。
分かっていたシーンであっても感動しました。


ジェイミー・ベルの演技は、ダンスだけが評価されたのではないと確信できます。
眉間にしわを寄せて考え込む姿。
とくに、合格通知を見た時の表情は印象的です。

2000年の英国アカデミー賞の主演男優賞受賞も頷ける演技でした。


他に、日本アカデミー賞の外国作品賞も受賞しています。