サハラに舞う羽根

イメージ 1雄大な砂漠をバックに、戦火の中で揺れ動く3人の男女の友情と愛の行方を描いた歴史スペクタクル。原作はA・E・W・メイソンの英国文学の古典的名作といわれる『四枚の羽根』。戦争を通じてある信念に至った青年士官が、婚約者や親友のために再び立ち上がっていく。監督は「エリザベス」のシェカール・カプール。主演は「ロック・ユー!」のヒース・レッジャー。共演に「アメリカン・ビューティー」のウェス・ベントリーと「あの頃ペニー・レインと」のケイト・ハドソン
 1884年、女王陛下の名の下、世界の4分の1を支配下に収め、なお領土拡大を続けるイギリス軍。その将軍を父に持つ青年ハリーは、ジャックら親友たちからも熱い信頼を受ける若きエリート士官。美しき婚約者エスネも得て順風満帆な人生を送っていた。そんなある日、彼はスーダンへの反乱軍鎮圧の任務を命じられる。しかし、この戦争に疑問を感じたハリーは苦悩の末に除隊する。そんな彼のもとには、ジャックを除く連隊仲間から臆病者を意味する“白い羽根”が送られてくる。そして、誇りを重んじるエスネもまた、ハリーの行動に失望し彼のもとを去っていくのだった…。(allcinema)


この羽根に誓って、必ず君のもとへ。

2002年 アメリカ/イギリス製作作品
原題:THE FOUR FEATHERS

監督: シェカール・カプール
原作: A・E・W・メイソン 『四枚の羽根』(小学館刊)
脚本: マイケル・シファー ホセイン・アミニ
音楽: ジェームズ・ホーナー
出演: ヒース・レジャー /ハリー・フェバーシャム
    ウェス・ベントリー /ジャック・デュランス
    ケイト・ハドソン /エス
    ジャイモン・フンスー /アブー・ファトマ
    マイケル・シーン /トレンチ




深夜のTVで放送されたのですが、残念ながら起きられずに観ることができず…。
レンタルしてきました。


何回も映画化されているようですが、全然知らない内容でした。


婚約したばかりのハリーに、スーダンへの反乱軍鎮圧の命令が下ります。
その瞬間、それまで築いてきた自分のキャリアに疑問を持ち始めました。
父の跡を追って軍人になってきたハリーは、
それが自分の意志だったかどうか、戦争を前にして改めて考えたのです。


そして出した答えが、除隊。

それは、仲間や父親、そして婚約者のエスネに対する裏切り…。

白い羽根は臆病者を表す印。
冒頭にその説明があります。
その白い羽根が送られたことで、ハリーは自分自身に問うのです。

なぜ戦争するのか、
なぜ自分は戦わないのか…。

その答えを探しに、ハリーはすべてを捨ててスーダンへ向かいました。

なぜスーダンへ行こうと思ったのか、
その辺りのハリーの心情というのがわかりにくいのが残念でした。

勢いで進んでいくので、ゆっくり考える時間はなく、
観終わって振り返ってみると、
ハリーも、そしてエスネも、つかみどころがないのです。


だったら最初っから除隊なんかしないで、
仲間と一緒にスーダンで戦えばよかったじゃない…。
だったらずっとハリーを待ち続ければいいじゃない…。


ハリーとエスネ、
そしてふたりの友人で、のちにエスネが愛するジャック。
その男女三人の恋物語、という面がもっと強調されていたら…。
と、思いました。

ジャックは負傷し、ハリーからは連絡がなく、
そんなとき、ジャックとエスネが結びついていったとしても仕方ないはずです。

ハリーもそれを承知していたのです。
エスネがハリーの元に戻るとしても、もっと捻ってほしかったな~。



イギリスがスーダンを植民地化しようとしたという時代背景も
映画だけではわかりずらいんです。
きっと原作が盛り沢山なんでしょうね。



ただ、砂漠の戦闘のシーンは息スケールが大きく迫力がありました。
砂漠だけの映像も息を呑むほど、綺麗でした。


今は亡きヒース・レジャーは、
苦悩する美青年、砂漠でのやつれた髭面の男と、さすがでした。


映像に観るべきものがあるだけに、
ドラマに消化不良の感があり、ちょっともったいない作品でした。