クレイマー、クレイマー

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8年目にして妻の自立心から破局を迎えた結婚生活。残された夫は幼い息子の面倒を見るのだが……。離婚と養育権という、現代アメリカが避けて通れない社会問題をハートウォームな人情劇を通して描いた80年の代表作品。ホフマン、ストリープ(助演女優賞)の他、アカデミー作品・監督・脚色賞を受賞。“フレンチ・トースト”と共に、絶対的母性を感じさせるトップ・シーンのストリープの横顔の美しさが印象深い。(allcinema)


「ママ!パパといっしょにいて・・・」

1979年 アメリカ製作作品
原題:KRAMER VS. KRAMER

監督: ロバート・ベントン
原作: アヴェリー・コーマン
脚本: ロバート・ベントン
音楽: ヘンリー・パーセル
出演: ダスティン・ホフマン テッド・クレイマー
    メリル・ストリープ ジョアンナ・クレイマー
    ジャスティン・ヘンリー ビリー・クレイマー
    ジョージ・コー ジム・オコーナー
    ジェーン・アレクサンダー マーガレット・フェルプス


アカデミー賞1979年
  ■ 作品賞
  ■ 主演男優賞 ダスティン・ホフマン
  ■ 助演女優賞 メリル・ストリープ
ジェーン・アレクサンダー
■ 監督賞 ロバート・ベントン
■ 脚色賞 ロバート・ベントン

ゴールデン・グローブ賞1979年
 ■ 作品賞(ドラマ)
■ 男優賞(ドラマ) ダスティン・ホフマン
助演女優賞 メリル・ストリープ
脚本賞 ロバート・ベントン





実はこんなに有名な作品を観たことがなく、
旧作100円のおかげで観ることができました。

それにしても、タイトルの「クレイマー、クレイマー
実は【KRAMER VS. KRAMER】だと知って納得。
Mr.クレイマーとMrs.クレイマーのお話なんですよね。


確かにアカデミー賞の最優秀作品賞を受賞するほどの大作かというと、
そういう大袈裟なストーリーは一切ない、
リアルなアメリカの家庭を描いている小品です。


この撮影時に、ダスティン・ホフマンは実際にもまさに離婚の最中。
メリル・ストリープは恋人を亡くしていたという、
主演二人も、結構ナーバスな状態だったようです。


もちろんそのせいではないでしょうけど、
ダスティン・ホフマンは、妻に去られて困惑する夫を演じきっています。
一所懸命働いてきた、
それは家族のためだった。
なのに、妻はそれを認めてくれはしない…。
妻・ジョアンナは、家庭に縛られて精神のバランスを崩し…。
よくあるパターンです。

そしてテッドは、仕事中心だった生活から、息子・ビリー中心の生活に変わっていきます。

このあたり、とてもよく描かれています。
二言目には「ママ」と言われ、
最初は渋々、そしてだんだん最愛の息子の気持ちを大事にしようと努力します。

フレンチトーストを作りをはじめ、失敗の連続で、
挙句の果てに会社まで首になってしまうのです。


この作品は、父親からの立場で描かれている気がします。
母親が出て行く理由も、意地悪く見ればやはり子供を捨ててるわけだし、
自分の生活が安定したから子供を取り返したい、
なんて、調子が良すぎますよね。

ところが、なぜジョアンナがそうせざるを得なかったか、
という辺りは、残念ながら詳しく描かれていません。
仕事中心の夫に愛想を尽かすまでの苦労は想像だけです。

だから、ジョアンナがやっぱり子供はあなたと暮らすべきだと言うラストも、
それ見たことか。
こんなに頑張ったんだからテッドが育てて当たり前だ。
なんて思いがちですよね。


確かに、テッドとビリーの関係は微笑ましく築かれていきます。
フレンチトーストをあんなに見事に作るなんて!
とは誰しも思うことでしょう。


それでも、ジョアンナの涙の奥にある、大きな愛情を感じたラストでした。




アカデミー賞作品賞受賞作品を観ることが、今後の目標になりました♪