シンデレラマン

イメージ 1 「ビューティフル・マインド」のロン・ハワード監督とラッセル・クロウが再びタッグを組み、実在のボクサー、ジム・ブラドックの奇跡の半生を映画化した感動のヒューマン・ストーリー。大恐慌時代、どん底の貧困から愛する家族を守るため命を懸けて再起のリングに上がる一人の男の姿を描く。共演は「シカゴ」のレネー・ゼルウィガーと「サイドウェイ」のポール・ジアマッティ
 愛する妻メイと3人の子供に囲まれ幸せに暮らすジムは、ボクサーとしても将来を嘱望されていた。だが1929年、彼は右手を故障してしまったことをきっかけに勝利から見放されていく。さらに時代は恐慌を迎え、やがてジムもライセンス剥奪で引退を余儀なくされ、失業者の一人として肉体労働をして家計を支えていた。そんなある日、元マネージャーのジョーから、一夜限りの復帰試合の話が舞い込んでくる。相手は勝ち目のない新進ボクサー。それでもジムは、その報酬で家族を救えるという一心で試合を引き受けるのだった…。(allcinema)


――心で語り継がれる《奇跡の実話》――

2005年 アメリカ製作作品
原題:CINDERELLA MAN

監督: ロン・ハワード
原案: クリフ・ホリングワース
脚本: アキヴァ・ゴールズマン クリフ・ホリングワース
音楽: トーマス・ニューマン
出演: ラッセル・クロウ ジム・ブラドック
    レネー・ゼルウィガー メイ・ブラドック
    ポール・ジアマッティ ジョー・グールド
    クレイグ・ビアーコ マックス・ビア




ラッセル・クロウの【グラディエーター】のレビューを書いた時、
ブロ友さんの“Gさん”から、お勧めしてただいた作品です。


物語前半は、1933年の大恐慌時代。
ブラドック一家はとても貧しく、
家族を養うために働かなくてはいけないのに仕事はない。
借金で生活が成り立たなくなった時、
妻のメイは、3人の子供を手放すことを決断しなくてはならなくなります。

どんなに貧しくても、子供だけは手放さないと自分と長男に誓っていたブラドック。
メイの取った行動には納得がいかないけれども、
真冬に電気もガスも止められた部屋は、子供たちには過酷な環境だったのです。


それを痛いほど感じたブラドックは、
ボクシング協会というんでしょうか。
かつての仲間たちの元へ行き、援助を請うのです。

恥を忍んで頭を下げる姿に、胸が詰まりました。

どんなことをしても家族を守る。
それがブラドックの生きるすべてだったのです。


そして後半。
賞金目当てで出場した試合で勝ってしまったブラドックは、
自分にはボクシングでお金を得ることが一番合っていると思ったのです。

以前のマネージャー・ジョーの友情で、
ブラドックは、再びリングの上に上がることになります。

不器用な男が、家族のために…。
というより、自分のために戦いを選んだのです。
だからこそ、メイは止められなかったのです。
たとえどんな危険が待っていようとも。


ラスト30分はボクシング・シーンで、思わず力が入ります。
壮絶な戦いの後、マックスの後ろ姿まで追い続けるシーンには心が揺れました。



無骨な感じがよかったラッセル・クロウ
そして夫と子供を愛し続けるメイを演じたレニー・ゼルウィガー
一途な女性を演じた彼女からは、コメディ色は見当たりませんでした。
素敵なふたりです。


事実が元になっているだけに、派手な結末は待っていません。
父親として、夫として、
家族の元に帰って行く姿があるだけですが、
守るべきものを持つ男の強さを感じるには充分な作品です。