オーストラリア

イメージ 1ムーラン・ルージュ」のオーストラリア人監督バズ・ラーマンが、同郷のニコール・キッドマンヒュー・ジャックマンを主演に迎え、戦時下の当地を舞台に綴るアドベンチャー・ロマン。はるばる異国の地に降り立った英国貴婦人が、広大な大陸を横断するという果てしない道行きの中、粗野なカウボーイとの運命的な出会いや先住民アボリジニとの交流など、様々な未知なる経験を通して新たな自分を見出していく姿をスペクタクルな大自然を背景に描く。
 イギリスの貴婦人レディ・サラ・アシュレイは、オーストラリアの領地を生計の足しに売却しようと旅立ったまま1年も帰ってこない夫を訪ねるため、ロンドンから初めてオーストラリアへ向かう。そして現地に到着すると、夫ではなく、ドローヴァー(牛追い)という名の無骨なカウボーイに出迎えられる。彼は、サラを領地“ファラウェイ・ダウンズ”へ問題なく送り届ければ、1500頭の牛を追う仕事を約束されていたのだった。初対面は共に印象が悪く、互いに反感を抱きながら領地への旅を続けるサラとドローヴァー。こうして、いよいよ領地へ辿り着くサラだったが、権力者の仕業で屋敷は荒れ果て、さらには衝撃の事実を知らされる羽目に。サラは、抵当に入れられた領地を守るため、1500頭の牛を遠く離れたダーウィンにいる軍へ売ることを決心するのだが…。(allcinema)



2008年 オーストラリア製作作品

監督: バズ・ラーマン
脚本: バズ・ラーマン スチュアート・ビーティー ロナルド・ハーウッド リチャード・フラナガン
撮影: マンディ・ウォーカー
音楽: デヴィッド・ハーシュフェルダー
出演: ニコール・キッドマン レディ・サラ・シュレイ
    ヒュー・ジャックマン ドローヴァー
    デヴィッド・ウェンハム ニール・フレッチャ
    ブライアン・ブラウン キング・カーニー
    ジャック・トンプソン キプリング・フリン
    デヴィッド・ガルピリル キング・ジョージ
    ブランドン・ウォルターズ ナラ




遥かなる異国の地オーストラリアが、一人のイギリス女性の運命を変える

チラシにはこんなコピーが書いてあります。


公開されたとき、このふたりですからね~。
観ようと思っていたのに、上映日数が短かったのかな、
気がついたらあってなかったんですよね。


なんとなく評判はよろしくないような…。
そうかな~。
楽しんで観ましたけどね~。


冒頭は、混血の男の子、ナラが語り手となって話を始めます。
原住民のアボリジニと、白人との混血であることが、
ナラの将来を阻んでいて、それがこの物語のもう一つのテーマとなっています。

オーストラリアに行ったままの夫に腹を立てた妻・サラは、
自分の手で解決しようとオーストラリアの地に立ちます。

そこで、カウボーイのドローバーと出会い、
ナラと出会い、
そして何より、オーストラリアの大自然に出合ったサラの物語です。

前半は、夫の遺志を継いで1500頭の牛を
“ファラウェイ・ダウンズ”という港町まで送り届けるまでが描かれています。
それは、素人ばかりの牛追いで、プロのドローバーとから見れば無謀なことでした。
それをやりきってしまうのが、ドラマなのです。

同業者を出し抜いて牛を船に乗せてしまうシーンではやったね!と思い、
慈善活動のパーティに、来ないと言っていたドローバーが
白いタキシードでやってきたシーンではニヤリとし…。

ロマンスの王道を行く前半戦となっています。



道中のオーストラリアの壮大な景観。
それと牛が走るスピード。
これは劇場で観たかったな~と思わずにはいられませんでしたよ。


後半は、“盗まれた世代”というオーストラリアが抱える、
混血児の問題を、1941年の開戦という時代とともに描いて行きます。

白人と原住民との間に生まれた混血の子供たちは、
親元から離されて、白人のために働くように教育されるのです。
なぜ彼らだけがそんな扱いを受けるのか。
人種差別からおこる悲劇は、悲しい歴史です。
まったく知らないことでした。

最後にオーストラリア政府が2008年に、公式に謝罪しているとテロップが流れます。
本当につい最近のことなんですね。


前半は西部劇なのですが、後半は一気に戦争映画に変わります。


爆撃で燃える街を、サラを探すドローバーの姿は、
僭越ではあるけども【風と共に去りぬ】を彷彿とさせたり…。

サラは、肌の色で判断する人ではなく、
必要だから助け合っていく、という考えで生きているような人でした。



妻を亡くした男と、夫を亡くした女が惹かれあい、
子供を持てなかった男女が子供に愛情を注ぐ…。

人間としての生き方を描いているようです。
家族の大切さを描いているようです。


お互い、大切な人なのに、それを伝えられないもどかしさ…。
という場面が少々不足気味。
夫を亡くしたばかりのサラが、ドローバーに惹かれて行く過程も
ちょっと足りないかな~。


それでも、焼け野原となったファラウェイ・ダウンズで、
抱き合う三人の姿には感動するんです。

良い男と良い女のラブロマンスですもん。
多少の物足りなさは置いといて、物語に酔いましょう。

いや~~。面白かったです(^^)