ラースと、その彼女

イメージ 1小さな田舎町を舞台に、等身大のリアルドールを本物の彼女と思い込んでしまった青年と、当惑しながらも優しい眼差しを向ける周囲の人々とのほほえましい交流を切なくも温かに綴るオリジナリティ溢れるハートフル・コメディ。主演は「きみに読む物語」のライアン・ゴズリング。監督は「Mr.ウッドコック -史上最悪の体育教師-」のクレイグ・ギレスピーで、全米での劇場公開は前後したもののこれが事実上のデビュー作となる。
 雪に覆われた小さな田舎町。町の人たちからMr.サンシャインと呼ばれ慕われている心優しい青年、ラース。しかし、純粋すぎるがゆえに極端にシャイで、女の子とまともに話すことも出来ない。そんなラースを心配していた兄夫婦のもとに、ある日、当のラースが彼女を紹介しにやって来た。しかし驚いたことに、その彼女とは、インターネットで購入した等身大のリアルドールビアンカ”だった。困惑する兄夫婦は医師に相談し、当面ラースの妄想に話を合わせるようにとの助言をもらう。そこで、町の人たちにも協力を仰ぎ、みんなでビアンカを生身の女性として扱うことにするのだが…。(allcinema)


彼が恋に落ちたのは…
等身大のリアルドール

2007年 アメリカ製作作品
原題:LARS AND THE REAL GIRL

監督: クレイグ・ギレスピー
脚本: ナンシー・オリヴァー
音楽: デヴィッド・トーン
出演: ライアン・ゴズリング ラース・リンドストロム
    エミリー・モーティマー カリン
    ポール・シュナイダー ガス
    ケリ・ガーナー マーゴ
    パトリシア・クラークソン ダグマー・バーマン医師





予告編を見たときから気になっていた作品です。

コメディかと思いきや、心温まる作品でした。

ガレージに暮らすラースは、
兄嫁からの食事の誘いを、歓迎していない様に感じられたオープニングから、
教会や職場でのエピソードで、
ラースが人付き合いが苦手な、シャイな男に思えました。

そのシャイなラースは、
いい歳なんだから彼女くらいいるでしょ、
彼女、欲しいでしょ、
と言われるたびに、どんどん殻に閉じこもっていくようでした。


そのラースが選んだ恋人は、リアルドールだったのです。
ラースが、兄夫婦に恋人を紹介したシーンでは、
兄夫婦の困惑が伝わりながらも、
決して嫌な空気にはならなかったのが、
この作品と自分の相性の良さを感じました。


人形と一緒に空想の世界に入って行くラースは、
大人になりきらない、子供なのです。

そのラースを見守り続けた、医師や街の人たち。

ラースの人柄があったからでしょうが、
人々は、リアルドールのヴィアンカを受け入れたのです。
そしてヴィアンカの訃報に触れた時の人々の悲しみは、
本当に友人を亡くした悲しみでした。


街の人や兄夫婦、そして職場のマーゴの存在に気づいた時、
ラースは現実を受け入れることにしたのだと思います。


兄との確執が原因かと思われたのですが、
具体的には何も語られていません。

ただひたすらに優しさを感じます。

そしてゆっくりとした時間を感じます。


都会ではなくなってしまった、人との優しい関係。
自分を受け入れてくれる人がいるって嬉しい。

そんなことを感じる作品でした。