ギルバート・グレイプ
「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」のスウェーデンの監督、ハルストレムのハリウッド進出二作目で、日本でも成功を収めた黄昏色の青春映画。どこか「ラスト・ショー」を思わせる、アメリカ中西部の田舎町。そこのくすぶった生活を描き、観る者にその町を訪れた気分にさせる。警鐘塔に登るのがクセの知的障害を持つ少年、家から出られないほど肥えた女、大スーパーマーケットの前でひっそりと商いをするよろず屋、突如出現したハンバーガーチェーン店……、など、象徴的な要素をうまく使って表現している。
しがないよろず屋の店員J・デップは、トレーラー・ハウスで祖母と旅を続ける少女(J・ルイス)の出現によって、袋小路のような自己の生活を見つめ直していく。デップをはじめ、演者みんなが素晴らしく、特に弟役のL・ディカプリオは傑出した名演を見せる。(allcinema)
あなたに会えてよかった。
1993年 アメリカ
原題:WHAT'S EATING GILBERT GRAPE
監督: ラッセ・ハルストレム
原作: ピーター・ヘッジズ
脚本: ピーター・ヘッジズ
音楽: アラン・パーカー ビョルン・イシュファルト
出演: ジョニー・デップ ギルバート
ジュリエット・ルイス ベッキー
メアリー・スティーンバージェン ベティ
レオナルド・ディカプリオ アーニー
ダーレン・ケイツ ローラ・ハリントン メアリー・ケイト・シェルハート
ジョン・C・ライリー クリスピン・グローヴァー ケヴィン・タイ
☆☆再見作品☆☆
これは文句なしの作品です。
デカプリオくんの演技は天才的で、とても目立ちます。
ジョニーが霞んでしまってるように見えるけど、実はそうじゃない…。
これがジョニーの持ち味なんじゃいかな、と最近思うようになりました。
ジョニーが霞んでしまってるように見えるけど、実はそうじゃない…。
これがジョニーの持ち味なんじゃいかな、と最近思うようになりました。
おれがおれが、と前に出る演技ではなくて、
周囲との一体感で演技してる、というのでしょうか。
周囲との一体感で演技してる、というのでしょうか。
昨年公開された【パブリック・エネミーズ】でもそう感じたし、
主役なのに、周囲から浮くような演技ではないんですよね。
もちろん、ジョニーの存在感を見せつける作品もありますけどね。
主役なのに、周囲から浮くような演技ではないんですよね。
もちろん、ジョニーの存在感を見せつける作品もありますけどね。
父も兄もいないグレイプ家では、男手はギルバートだけ。
ギルバート自身もそれを承知だし、
もちろん家族を愛してるからすべてを受け入れているんだけど、
どこかでとてつもない閉そく感や憤りを感じてる。
ギルバート自身もそれを承知だし、
もちろん家族を愛してるからすべてを受け入れているんだけど、
どこかでとてつもない閉そく感や憤りを感じてる。
トレーラーハウスを見に行くのは、
弟のアーにーが望んでいるからと言いつつ、
実はギルバート自身も、そこに外の世界を感じたかったのかもしれない…。
弟のアーにーが望んでいるからと言いつつ、
実はギルバート自身も、そこに外の世界を感じたかったのかもしれない…。
そんなギルバートが住む町にも、少しずつ新しい波が押し寄せてきて、
変わっていく町を見ながら、変われないもどかしさも感じている。
変わっていく町を見ながら、変われないもどかしさも感じている。
枷となっていたひとつの母親の死によって、
家族は新しい道を歩き始めます。
家族は新しい道を歩き始めます。
家を燃やすことで、すべてに決別したギルバート。
もう自分のことだけ考えていいんだよ。
すべてを諦めた空虚感や弟を見守る優しい瞳、
押し殺した感情を見事に演じたジョニーはさすがです。
押し殺した感情を見事に演じたジョニーはさすがです。
デカプリオくんの演技はもちろんだし、
その他の登場人物がみな持ち味を出し切っています。
その他の登場人物がみな持ち味を出し切っています。
ギルバートの息苦しさや憤りを感じる話なのに、
最後には爽快な風を感じる作品です。
最後には爽快な風を感じる作品です。