Dr.パルナサスの鏡 (2009)

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 「未来世紀ブラジル」「バロン」のテリー・ギリアム監督が贈るミステリアス・ファンタジー・アドベンチャー。主演は「ダークナイト」のジョーカー役で鮮烈なインパクトを残したヒース・レジャー。彼は本作撮影半ばで急死してしまい、これが遺作となる。彼の死によって一時は完成が危ぶまれたが、ジョニー・デップジュード・ロウコリン・ファレルの3人が後を引き継ぐ形で鏡の中の主人公を演じ分け、無事完成に漕ぎ着けた。一人の少女を助けるため、現実世界と不思議な鏡の中の幻想世界を行き来する主人公の姿を、イマジネーションあふれるヴィジュアルでファンタジックに描き出す。共演に、「インサイダー」のクリストファー・プラマーとスーパーモデルのリリー・コール
 2007年、ロンドン。パルナサス博士率いる旅芸人一座がやって来る。出し物は、心の中の欲望を鏡の向こうの世界に創り出す摩訶不思議な装置“イマジナリウム”。しかし、怪しげな装置に誰も興味を示さない。そんな中、何かに怯えているパルナサス博士。彼は、かつて悪魔のMr.ニックと契約を交わし、不死と若さを得る代わりに生まれてくる娘が16歳になったらMr.ニックに差し出すと約束してしまったのだ。そして、その期限である娘ヴァレンティナの16歳の誕生日が目前に迫っていた。一方、何も知らないヴァレンティナは、偶然救い出した記憶喪失の男トニーに心奪われる。トニーは一座に加わり、彼の魅力で女性客が増え始めるが…。(allcinema)


鏡の中は、
わがままな願望でいっぱい

この迷宮から、
大切なひとを救えるのか──?

原題:THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS

監督: テリー・ギリアム
脚本: テリー・ギリアム チャールズ・マッケオン
音楽: マイケル・ダナ ジェフ・ダナ
出演: ヒース・レジャー トニー
    クリストファー・プラマー パルナサス博士
    ジョニー・デップ 鏡の向こうのトニー#1
    ジュード・ロウ 鏡の向こうのトニー#2
    コリン・ファレル 鏡の向こうのトニー#3
    リリー・コール ヴァレンティナ
    アンドリュー・ガーフィールド アントン
    ヴァーン・トロイヤー パーシー
    トム・ウェイツ Mr.ニック



「A Film from Heath Ledger & Friends」
「special thanks to Heath Ledger's family」
こんなクレジットがふたつ流れると、やはり胸が熱くなりました。

ダークナイト】で見事にジョーカーを演じたヒース・レジャーは、
遺作となる今回も、パワーを感じる演技を見せてくれました。

有り余るほどのパワー…。

もっともっと観たかった。
もっともっと演じてほしかった…。

ただただヒースの冥福を祈るだけですが、
その最期に相応しい作品に出合えたことに、感謝したい気持ちです。


ヒースが生きていたら、もしかしたらラストは少し変わっていたのかな。

そんな風に思いました。

現実の世界でしあわせになるパルナサス博士と娘のヴァル。
確かにそのために大きな代償を払うのですけど、
それでもヒース演じるトニーも、現実の世界に戻って来たんじゃないかと…。

おっと…!

あまりじゃべってはいけませんね(^^ゞ


人生には二つとは限らないでしょうが、時折選択を迫られることがあります。
右か左か…。
上か下か…。

私にもそういうことが何度もあって、その結果が現在の私な訳です。
それを不幸とは思いませんが、
もしあの時、違った選択をしていたら、違った現在があるのかも…。


選ぶ道を信じるしかありません。
信じた道を精一杯生きるしかありません。


鏡の中では、願望を形にした幻想世界を体験できます。
自分がどんな願望を持っているのか、
見せられたらびっくりするかもしれませんね(^^ゞ

現実は2007年のロンドン。
曇天だったり今にも壊れそうな馬車のなかったったりと、映像は暗めです。

ところが、幻想世界は色鮮やか!
色合いだけではなくて、何が原因か、気持ちが楽になってました。
幻想世界に取り込まれたかも…?


パルナサス博士、娘のヴァル、曲芸師のアントン、こびとのパーシー。
パルナサス博士の素性や悪魔ニックとの駆け引き。
そこに首を吊っていたトニーが加わって、摩訶不思議な物語の始まりです。


理屈じゃなくて、五感を大いに働かせて感じてください。

笑わせる風刺もあったり、飽きずに観ることができるでしょう。


そして、ヒースの代役となった
ジョニー・デップジュード・ロウコリン・ファレル
4人一役という設定なの当たり前なんですけど、
鏡の中でトニーを演じた三人が、どことなくヒースを思わせます。
さすがという演技です。

三人が、ヒースとギリアム監督に敬意を表していたことが伝わります。


いろいろと見どころ満載だと思います。

これはハッピーエンドなの?
それは保障できません。

という台詞に、くすっと笑ったのは私だけではないでしょう。