ラブリーボーン (2009)

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アリス・シーボルドの同名ベストセラーを「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督が映画化した異色のファンタジー・ドラマ。わずか14歳で残忍なレイプ殺人犯の犠牲となり天国へと旅立った少女が、崩壊していく家族に魂を寄り添わせ、その再生を見守る中で自らも悲劇を乗り越えていく姿を、優しい眼差しでファンタジックかつサスペンスフルに綴る。出演は、14歳のヒロインに「つぐない」のシアーシャ・ローナン、その両親にマーク・ウォールバーグレイチェル・ワイズ。また、「ターミナル」「Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?」のスタンリー・トゥッチが憎々しい犯人を好演。
 優しい両親とかわいい妹弟に囲まれ、楽しく幸せな毎日を送っていた14歳の少女、スージー・サーモン。初恋の予感に胸をときめかせていたある冬の日、彼女は近所の男に無慈悲に殺されてしまう。最初は自分が死んだことにも気づかなかったスージーだが、やがて天国の入り口に辿り着く。そんな中、犯人は警察の捜査を切り抜け、平然と日常生活を送っている。一方、愛する娘を失った家族は深い悲しみに暮れていた。やがて、父親は残された家族を顧みず犯人探しに妄執し、自責の念に苛まれていた母親はそんな夫に耐えられずに、ついに家を出てしまう。バラバラになっていく家族を、ただ見守ることしかできないスージーだったが…。(allcinema)


2009年 アメリカ/イギリス/ニュージーランド
原題:THE LOVELY BONES


監督: ピーター・ジャクソン
原作: アリス・シーボルド 『ラブリー・ボーン』(アーティストハウス刊)
脚本: フラン・ウォルシュ フィリッパ・ボウエン ピーター・ジャクソン
音楽: ブライアン・イーノ
出演: マーク・ウォールバーグ ジャック・サーモン
    レイチェル・ワイズ アビゲイル・サーモン
    スーザン・サランドン リン
    スタンリー・トゥッチ ミスター・ハーヴィ
    マイケル・インペリオリ レン・フェナマン刑事
    シアーシャ・ローナン スージー・サーモン
    ローズ・マクアイヴァー リンジー・サーモン
    クリスチャン・トーマス・アシュデイル バックリー・サーモン




14歳で殺された少女・スージーが語る、殺人の顛末と家族への愛の物語です。


家族を疎ましく思ったり、キスを夢見たり、それはまさに14歳。
そんなスージーが、隣人のハーヴィの誘いに乗ってしまったことで、
その肉体を破壊されてしまいます。

だめ、だめ。
ついて行っちゃだめだって…!

ハーヴィの誘いに心が揺れるスージーに、
ついつい声をかけてしまいそうになりました。


知らない人について行っちゃいけない。
そう教えられてきた子供のころと違って、
今では、知ってる人にもついて行っちゃいけないんです。

本当に危険な世の中です…。


自分の死を受け入れられないスージーが、心を残した現世。

彼女の死で、家族がばらばらになって行くことに心を痛め、
妹が自分より成長していく姿にも心を痛め…。

悲しい出来事ではあったけど、
サーモン家の人々はそれを受け止め、歩き出します。


スージーは、そんな家族に安心し、念願のキスをして、
死を受け止めることであの世へ行く決心をします。

キスのシーンは【ゴースト】を思い出しちゃいましたけど(^^ゞ


娘を想う両親。
その両親を案ずる祖母。
殺人の証拠を掴もうとする妹。
…このシーンはドキドキしました。

ひとりひとりの思いが良く伝わりました。


そして犯人。
計画を練る姿にも怖さが伝わります。


彼らを演じた俳優陣がまた素晴らしかったです。

スージー役のシアーシャ・ローナン
犯人役のスタンリー・トッチは特に印象に残りました。



この世とあの世と、色彩の違いが見事で、
先日鑑賞した【Dr.パルナサスの鏡】と通じるものを感じました。



スージーの遺体が見つからなくて、なんとももやもやした気分でしたけど、
悪いことをしたら、その報いは受けるんだと言わんばかりの犯人の最後に
溜飲が下がる思いでした。


スージーとサーモン家の幸せを祈りたくなった作品です。