シャネル&ストラビンスキー

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 「ドーベルマン」の鬼才ヤン・クーネン監督が、シャネルとストラヴィンスキーの愛憎の行方を描くラブストーリー。芸術家として互いを刺激しあい、愛を深めていく姿と、そこに秘められた最も有名な香水“N°5”誕生の物語を華麗かつ官能的に綴る。ココ・シャネル役はシャネルのミューズとして広告モデルも務めている「NOVO/ノボ」のアナ・ムグラリス。一方、ストラヴィンスキー役には「アフター・ウェディング」のマッツ・ミケルセン
 1913年のパリ、シャンゼリゼ劇場。自作《春の祭典》の初演を迎えたストラヴィンスキーだったが、そのあまりにも革新的な音楽は観客に受入れられず、劇場はヤジと嘲笑で騒然となる。そんな中ただ一人、ココ・シャネルだけは今までにない斬新なスタイルに共鳴し、心震わせていた。それから7年後。シャネルは、デザイナーとして富と名声を手にしながら、最愛の男アーサー“ボーイ”カペルを事故で亡くし、悲しみに暮れていた。そんな時、家族と共にパリで苦しい亡命生活を送っていたストラヴィンスキーと出会う。彼の才能に惚れ込み、経済的援助を申し出るシャネルだったが…。(allcinema)
 
 
2009年 フランス
原題:COCO CHANEL & IGOR STRAVINSKY
 
監督: ヤン・クーネン 
原作: クリス・グリーンハルジュ  『シャネル&ストラヴィンスキー』(竹書房刊)
脚本: クリス・グリーンハルジュ  ヤン・クーネン 
音楽: ガブリエル・ヤレド 
出演: アナ・ムグラリス ココ・シャネル
     マッツ・ミケルセン イゴール・ストラヴィンスキー
     アナトール・トーブマン アーサー“ボーイ”カペル
     エレーナ・モロゾーワ カトリーヌ・ストラヴィンスキー
     ナターシャ・リンディンガー ミシア・セール
     グリゴリ・モヌコフ セルゲイ・ディアギレフ
     ラシャ・ブコヴィッチ  ニコラ・ヴォード
 
 
 
シャネルの映画が続いた後、最後に登場したのがこの作品。
先行した2作品は、どちらもシャネルという人物の全体像を描いていたけれど、
今作は、成功したシャネルと、ストラビンスキーとの関係だけを
とても濃密に描いています。
 
ストラビンスキーは、1882年ロシア生まれの作曲家です。
 
 
冒頭に登場する、ストラビンスキーのバレエ音楽春の祭典』のエピソードは、
バレエや音楽に関する人たちにとっては、たぶん有名な出来事なんだと思います。
いつの時代でも、新しいことをしようとすると
まずはそれを否定する、保守的な人たちからバッシングを受けるのですね。
 
 
そんな時に、社会的に認められたシャネルから経済的援助を申し出られても、
男としては“ではよろしく”
なんて簡単には受けられませんよね。
 
受けたらその後どんな展開になるか、
容易に想像できるのではないでしょうか。
 
男と女ですもん。
 
シャネルとしては、最愛の恋人を亡くした時だったわけで、
ストラビンスキーの才能に、芸術家としても惚れこんだんでしょうが、
もちろん男として惚れこんだんだろうなあと、匂わせてます。
 
ただし、そういう事実があったかどうか、それは定かではないようです。
 
でも、共鳴し合ったからお互いの芸術性が高められたのかもしれない。
 
特にシャネルは、いろんな人物と関わっていたようなので、
それを自分の栄養として、ぐんぐん成長していったのではないか。
 
そんな風に想像したくなります。
 
それにしても、奥さんがいる同じ屋根の下で、
身体を重ねあうなんて、かなりの度胸です。
奥さんには気づかれるし、
もしかしたら息子も気づいたのかもしれない、
そんな息子の変化が痛々しかった…。
 
渇きを満たすように互いを求める…。
 
最終的には、ストラビンスキーですらシャネルの渇きを癒せなかった…。
う~~ん。
というより、ストラビンスキーから全てを吸い取った…。
そんな決別に感じました。
 
 
シャネルの作品の中では、
これが一番人間らしかった気がします。