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大力自慢の大道芸人ザンパノが、白痴の女ジェルソミーナを奴隷として買った。男の粗暴な振る舞いにも逆らわず、彼女は一緒に旅回りを続ける。やがて、彼女を捨てたザンパノは、ある町で彼女の口ずさんでいた歌を耳にする……。野卑な男が、僅かに残っていた人間性を蘇らせるまでを描いたフェリーニの名作。(allcinema)
 
 
アカデミー最優秀 外国映画賞に輝く 
フェデリコ・フェリーニ監督の 最高傑作!

 
 
 
 
 
1954年 イタリア
原題:LA STRADA
 
監督: フェデリコ・フェリーニ 
脚本: フェデリコ・フェリーニ  エンニオ・フライアーノ  トゥリオ・ピネッリ 
音楽: ニーノ・ロータ 
出演: アンソニー・クイン 
     ジュリエッタ・マシーナ 
     リチャード・ベースハート 
     アルド・シルヴァーニ 
     マルセーラ・ロヴェーレ 
 
今年の冬、この映画のテーマ曲は何度も何度も聴きました。
フリーの演技で選んだ曲でした。
 
その時から観てみたいと思っていたのですけど、ようやくの鑑賞となりました。
 
このDVDは、故淀川長冶さんの解説付きなんですが、
これを見て納得したことがたくさんありました。
 
何の知識もなくて観ると、
ジェルソミーナという女性の正体、というか素性と言うか、
そういう部分が分かりにくくて、
“白痴”という設定なんだと分かると、納得できる部分が多くありました。
 
年齢も不詳で、若い、少女に近い年齢なんでしょうが、
演じた女優さんのせいもあってか、
可愛らしい魅力があったり、疲れた老けた印象があったり…。
 
いろんなものが台詞として語られているわけではなく、
映像を観て想像しなくてはいけない部分が多くあります。
 
粗野な男、ザッパーノは、
自分の言いなりになるように、ジェルソミーナを仕込んでいきます。
時には女として、妻として扱い、
時には邪魔者として置き去りにする…。
それでもジェルソミーナは黙ってついて行くのです。
 
ここが私のいる場所だから。
 
その言葉を繰り返しながら…。
 
ジェルソミーナが“白痴”という設定でなくても、
もしかしたら同じだったかもしれない。
乱暴でも置き去りにされても、なぜか別れられない。
そういう相手がいると言うのも分かる気がします。
 
悪い男だから惹かれてしまう…。
 
一方的な想いではなくて、
ザッパーノもジェルソミーナを、実は愛おしく思っているのではないかと、
観ている最中に感じることがありました。
 
ただの仕事の相棒としてではなく…。
 
ジェルソミーナを最後に置き去りにしたのも、
それはザッパーノの弱さを表していた気がするので、
ラストの海辺でのシーンは、驚きではなくて、納得、でした。
 
彼自身は、最後でようやく自分の気持ちに気がついたかもしれないけど…。
 
 
 
この作品の本来の意味からが外れるかもしれないけど、
男と女の不思議な結びつきを感じる作品でした。
 
男と女が結びつくことって、理屈じゃない部分が多いですよね。
って感じるのは私だけかな(^^ゞ
 
ダメだ、と思っても危険な男に惹かれてしまう。
 
料理が上手で器量がいい女が良いに決まってても、
そうじゃない女ほど可愛かったり…。
 
そんな風に感じる作品でした。
何度か観ると、また違った感想がある気がしますが…。
 
 
音楽は、有名なテーマ曲が繰り返し流れます。
時に楽しく、時に悲しく…。
同じ曲なのに、シーンによって違った印象を与えるのが不思議でした。
 
一度は観る作品の一つでしょうね。