いつか晴れた日に

イメージ 1英国の女性作家ジェーン・オースティンの1811年の小説『分別と多感』をもとにE・トンプソンが脚色し、第68回アカデミー賞脚色賞にノミネートされた恋愛ドラマ。19世紀初頭。イングランド南東部のサセックス州にある私園“ノーランド・パーク”を構えるダッシュウッド家の主ヘンリーを失った彼の妻と3人の娘。法律の定めるところにより私園を含め財産は先妻の息子ジョンに相続されるのを心配したヘンリーは、死の床でジョンに妻と娘の世話を頼んでいたが、ジョンの妻の反対にあいその約束は反故にされてしまう。彼女たちは悲しみにひたる間もなく、早速新しい家を探し始めるが……。
 過酷な運命に翻弄されながらも、3姉妹が多難な恋を通して成長しする姿を、様々な人物模様を交えてロマンス感たっぷりに描いてゆく。「恋人たちの食卓」でその手腕をいかんなく発揮したニューヨーク・インディーズの俊英アン・リー監督による作品ではあるが、「恋人たち~」ほどの人物描写の豊かさや物語性にはやや欠ける印象がある。「ダイ・ハード」のアラン・リックマンの抑え気味の演技は非常に良い。(allcinema)
 
1995年 イギリス/アメリ
原題:SENSE AND SENSIBILITY
 
 
監督: アン・リー 
原作: ジェーン・オースティン 
脚本: エマ・トンプソン 
音楽: パトリック・ドイル 
出演: エマ・トンプソン エリノア・ダッシュウッド
     アラン・リックマン ブランドン大佐
     ケイト・ウィンスレット マリアンヌ・ダッシュウッド
     ヒュー・グラント エドワード・フェラーズ
     グレッグ・ワイズ ジョン・ウィロビー
     エミリー・フランソワ マーガレット・ダッシュウッド
     イモジェン・スタッブス ルーシー
     ジェマ・ジョーンズ ダッシュウッド夫人
     ロバート・ハーディ ジョン・ミドルトン卿
     エリザベス・スプリッグス ジェニングス夫人
     トム・ウィルキンソン ダッシュウッド氏
     ヒュー・ローリー パーマー氏
     イメルダ・スタウントン シャーロット・パーマー
     ハリエット・ウォルター ファニー
     ジェームズ・フリート ジョン・ダッシュウッド
 
始まってすぐに、ケイト・ウィンスレットが映し出されます。
ピアノを弾くシーンなのですが、
息をのむほどの美しさ、可愛らしさ…。
二十歳になるなならないかのケイトは、本当に可愛らしい。
そして、全編を通して彼女の演技の素晴らしいものでした。
若い頃から実力のある女優さんだったんですね~。
 
19世紀。女性にとっては結婚しか生きる術がない時代。
そういう作品はいくつか観ているので、
時代背景はすんなり納得できます。
 
女性は仕事を持つこともできず、
お金持ちと結婚することだけが幸せにつながる、と言う時代。
ところがダッシュウッド家は、当主を亡くして家も財産も失くしてしまいます。
“法律”なんだそうです。
 
持参金のない貧乏貴族となったダッシュウッドの三姉妹。
望む結婚も、互いに愛し合っていたとしても、
貧乏だからと、次々と破談になってしまいます。
 
そんな長女、エリノアは知的で穏やかな女性。
二女、マリエンヌは気性が激しくて奔放な女性。
この対比がうまく描かれています。
どんな性格だろうとも、一途に男性を想う姿は
姉妹なんだと思ってしまいます。
 
男性側も個性的によく描かれていて、
恥ずかしがり屋のエドワード、
年若いマリエンヌに焦がれるブランドン大佐、
男だってこんな風に愛情深い人間なんだ~と感動すら覚えました。
…女の願望通りの男たち、みたいで出来過ぎだけど。
 
イギリスの田舎の風景も広大で素晴らしい。
 
次々に起こることは、ダッシュウッド姉妹には辛いことばかりだったけど、
お見事!という結末には拍手。
 
エリノアが堪え切れずに号泣するシーンは、
貰い泣きしてしまいました。
長女として、家族を守り続けたご褒美だもん。
幸せにならなくちゃね~。
 
病床にあったマリエンヌを、必死で看病したブランドン大佐も、
その想いが通じたことは、やっぱり嬉しい。
 
ピアノや地図帳といった小道具の使い方も憎い。
主演のエマ・トンプソンの脚本とうのも驚き。
多才な人なんですね~。
 
それぞれを演じた俳優陣が見事だったことは、言うまでもありません。
 
 
文芸作品としての重さを残しつつ、
華やかなエンディングになったことで、後味の良さを残しました。
…甘々だと言われようが、私の好みの作品です♡
 
ハッピーエンドが好きな人にはたまらないでしょう(^^)