しあわせの隠れ場所
一度はホームレスになるなど過酷な少年時代を過ごしながらも、ある家族との出会いによって自らの才能を開花させ、ドラフト１巡目指名でＮＦＬデビューを飾ったマイケル・オアー選手の感動の実話をサンドラ・ブロック主演で映画化。原作はマイケル・ルイスのベストセラー・ノンフィクション『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』。共演はカントリー歌手のティム・マッグロウと「僕らのミライへ逆回転」のクィントン・アーロン。監督は「オールド・ルーキー」のジョン・リー・ハンコック。
夫と娘、息子の４人で幸せに暮らす裕福な白人家庭の夫人リー・アン。彼女はある凍てつくような真冬の夜、ひとり寂しくＴシャツと短パンで歩いている巨漢の黒人少年に目を止め、声をかける。そして、マイケルと名乗るその少年を放っておけなくなり、ひとまず自宅へ彼を招き入れることに。マイケルは父親の顔も知らずに育ち、母親とは引き離され、住む場所や学校も転々とする劣悪な境遇に置かれていた。そんな彼に、はじめは憐れみだけを感じていたリー・アン。しかし、マイケルの瞳の中に輝きを見つけた彼女は後見人になると決心、自分の部屋と教育の場を与え、改めて家族の一員としてマイケルを迎え入れるのだった。またリー・アンはある時、大柄でありながら敏捷な肉体と仲間を危険から守る保護本能に秀でた心を持つマイケルにアメリカン・フットボールの才能を見出す。こうしてアメフトに取り組むマイケルはたちまちその能力を発揮し、一躍注目選手として成長していくのだが…。(allcinema)2009年 アメリカ原題：THE BLIND SIDE監督： ジョン・リー・ハンコック
原作： マイケル・ルイス 『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』（ランダムハウス講談社刊）
脚本： ジョン・リー・ハンコック
音楽： カーター・バーウェル
出演： サンドラ・ブロック リー・アン・テューイ
クィントン・アーロン マイケル・オアー
ティム・マッグロウ ショーン・テューイ
キャシー・ベイツ スー夫人
リリー・コリンズ コリンズ・テューイ
ジェイ・ヘッド Ｓ・Ｊ・テューイ
レイ・マッキノン バート・コットン
キム・ディケンズ キャサリン・ダイアー アンディ・スタール トム・ノウィッキ
素直に感動して観終わったんですが、
たぶん“偽善的”だな～と思う人もいるんじゃないかと
そんな感想も持ちました。
実話と言うだけでなく、ご本人たちが存命なのですから、
ある程度美化しちゃった…？なんて勘ぐるかも…。
テューイ一家の無償の愛情が、それくらい見事なのです。
白人一家の、黒人に対する優越感…？
お金持ち一家の、貧乏人に対する施し…？
何度も言いますけど、そのくらいテューイ家の人々は見事なのです。
テューイ夫妻はともかく、
マイケルと同い年くらいの娘・コリンズだって、あまりに物分かりよすぎ！
ちょっとくらい嫌な顔をしたっておかしくないはずだよ。
空々しく思わなくもなかったのですけど、
そのくらいテューイ家の考え方が安定していると言うか、
愛情に溢れた家族なんだと納得するしかないんです。
だから、マイケルは、初めて泊ったその日に、
居心地の良さを感じ、自分の居場所だと感じることができたんですよね。
特典映像には、リー・アンご本人が登場していますが、
なんとも豪快な女性です。
パワフルな女性です。
そういう女性だからこそ、
無条件にマイケルを受け入れることが出来たんでしょう。
誰にでも真似できる行為ではありません。
経済力や知名度などがあったことは事実です。
でも、そういう人たちが手を差し伸べることは
決して卑しい行為ではありませんよね。
力があるんだもん…！
それでしあわせになったマイケルが証明しています。
新聞の片隅に、スラムで出会ったマイケルの仲間たちの死亡記事。
それは悲しいものでした。
マイケルだって一歩間違っていれば同じ運命だったかも…。
テューイ家の長男・SJがいいんですよ～！
そばかすだらけの顔で、黒人のマイケルを兄と紹介し、
マイケルの大学選びの交渉を変わりに引き受け、
そして自分への特権を勝ち取る、中々のやり手です(^^)
サンドラ・ブロックは、シリアスな役を演じてますが、
彼女はどんな役でもこなせる、素晴らしい女優さんです。
マイケルを演じた新人のクィントン・アーロンも、
新人とは思えぬ表情で演じています。
内容とともに、キャストにも注目できます。
愛情溢れる、テューイ家に浸って観てほしいと思います。
