ザ・ウォーカー

イメージ 1フロム・ヘル」のヒューズ兄弟がデンゼル・ワシントンを主演に迎えて描くSFサスペンス・アクション。文明が崩壊した終末世界のアメリカ大陸を舞台に、世界に一冊だけとなったある本を襲撃者から守り、西へと運ぶ謎めいた男の姿を、ハードなバイオレンスとスタイリッシュな映像で描き出す。共演に「ダークナイト」のゲイリー・オールドマンと「マックス・ペイン」のミラ・クニス
 イーライという名の謎の男は、崩壊したアメリカ大陸の荒野を西に向かって歩き続けていた。ある本を携えて。その本は、いまや世界にこのただ一冊となっていた。イーライは、その本に近づこうとする者は容赦なく斬り捨てた。そんな中、とある町に立ち寄ったイーライ。そこは、カーネギーという男が独裁者として君臨する町。彼は、ある本を探していた。その本があれば世界を支配できると考えていた。やがて、イーライの本こそが、目的の本だと確信するカーネギーだったが…。(allcinema)
 
 
 
 
2010年 アメリ
原題:THE BOOK OF ELI
 
運べ、西へ。
世界に残る
たった一冊の本を──。
 
監督: アレン・ヒューズ  アルバート・ヒューズ  (ザ・ヒューズ・ブラザーズ)
製作: ジョエル・シルヴァー  ブロデリック・ジョンソン  アンドリュー・A・コソーヴ 
        デヴィッド・ヴァルデス デンゼル・ワシントン 
製作総指揮: スティーヴ・リチャーズ  スーザン・ダウニー  エリック・オルセン 
脚本: ゲイリー・ウィッタ 
撮影: ドン・バージェス 
プロダクションデザイン: ゲイ・バックリー 
衣装デザイン: シャレン・デイヴィス 
編集: シンディ・モロ 
音楽: アッティカス・ロス 
音楽監修: デヴァ・アンダーソン 
出演: デンゼル・ワシントン イーライ(“ウォーカー”)
    ゲイリー・オールドマン カーネギー
    ミラ・クニス ソラーラ
    レイ・スティーヴンソン レッドリッジ
    ジェニファー・ビールス クローディア
    フランシス・デ・ラ・トゥーア マーサ
    マイケル・ガンボン ジョージ
    トム・ウェイツ  エヴァン・ジョーンズ  ジョー・ピングー  クリス・ブラウニング 
    リチャード・セトロン  ラティーフ・クラウダー  マルコム・マクダウェル  
 
デンゼル・ワシントンは、つい最近【アンストッパブル】を観たばかりで、
あちらはカッコイイ普通のおじさん。
こちらはワイルドな本屋のおじさん。
…いや、そんなに単純ではないですけど、深みのあるいい役者さんですよね。
彼を観るだけでも価値がある、そんな作品です。

特典映像にあるんですが、とにかく全編にわたって絵コンテを描いていて、
それをみんなで見て作り上げたというんですが、
本当に絵コンテとおんなじなんです。
光彩を極力落とした荒れた風景や、
スタントを使わずに演じたデンゼルさんのアクションシーンなど
様々なこだわりのある映像は見応えがありました。

内容に関しては…。
デンゼルさん演じるイーライというかウォーカーがいったい何者で、
どんな本を、なぜ西へ運ぶのか…、といった謎解きもあって面白いはずなんですが、
本の正体は割とすぐに勘づきます。
 
そうすると今度は、宗教が絡んできてイマイチピンとこない…(^^ゞ
無宗教な私にとっては、内容の深みが伝わりにくいのが残念でした。

このタイトルから、すぐにキリスト教を発想する人もいるらしく、
そうすると本の持つ魅力や、威力や、魔力?などが感じられて
より興味深く観られるのかもしれません。
 
事務所にクリスチャンもどき(ちゃんと洗礼を受けてはいないらしい)がいるので
彼の感想を聞いてみたいな~と思ったりしました。
 

ただ、壊れてしまった世界で、人は何に救いを求めるんだろう。
どこに生きていく意味を感じるんだろう。
いやいや、生きていく意味があるんだろうか。
そんなことを思いました。

難しく考え込むと憂鬱になりそうなので、
あちこちの突っ込みどころを楽しみながら…結構突っ込めます…
不死身のイーライのアクションシーンですっきりしましょうかね。
 
それにしても、文明を知っている人間は強いですね。
その世界を取り戻そうとする人もいて、
まあラストに多少なりとも救いはあったようです。

う~ん。
つまり面白いようなピント外れの様な、ちょっと不思議な作品でした。
 
 
《1月20日追記》
前述の事務所のY君と少し話をしたところ、
同じ聖書でも、“新約聖書”と“旧約聖書”では意味合いが違うとか。
今回は確か“旧約聖書”だったと記憶しています。
こちらにはそれによって権力を持つ、という意味合いもあるようです。
だからカーネギーがこの本を欲しがった。
そういうことは、知識がある人だとわかっちゃうみたいですね。