完全なる報復 (2009)

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愛する家族を奪われた主人公が、司法取引によって犯人が極刑を免れたことへの怒りを、犯人ばかりか司法関係者、さらには司法制度そのものへと向け、周到かつ壮絶な復讐劇を展開する戦慄のクライム・サスペンス。主演は「300 <スリーハンドレッド>」のジェラルド・バトラー、共演に「Ray/レイ」のジェイミー・フォックス。監督は「交渉人」「ミニミニ大作戦」のF・ゲイリー・グレイ。
 ペンシルヴェニア州フィラデルフィア。クライドは妻と幼いひとり娘に囲まれた温かい家庭を築き、幸せな人生を送っていた。だがある日、突然自宅に押し入った2人組の暴漢に重傷を負わされ、家族を惨殺されてしまう。やがて、犯人のダービーとエイムスは逮捕されるが、決定的な証拠に乏しく、裁判での負けを恐れた担当検事のニックは、独断で主犯格のダービーと司法取引を行い、エイムスに不利な証言を引き出す見返りにダービーの罪を軽減してしまう。結果、エイムスの死刑が確定する一方、ダービーはわずか数年の禁固刑に。到底納得のいかないクライドだったが、彼にはどうすることも出来なかった。それから10年後、エイムスの死刑執行日。無痛の薬物で安楽死となるはずの彼は、もがき苦しみ壮絶な断末魔とともに息絶えた。さらに間もなく、とうに出所済みのダービーがバラバラ死体となって発見される。すぐさま容疑者に挙がったクライドは何の抵抗もなく拘束された。だがそれは、ニックをはじめ当時の関係者全てに対するクライドの壮大な復讐計画の始まりに過ぎなかった…。(allcinema)
 
2009年 アメリ
原題:LAW ABIDING CITIZEN
 
正義とは何か──。
 
監督: F・ゲイリー・グレイ 
製作: ルーカス・フォスター  ジェラルド・バトラー  アラン・シーゲル  マーク・ギル 
       カート・ウィマー  ロバート・カッツ 
製作総指揮: ニール・サッカー  マイケル・ゴーゲン 
脚本: カート・ウィマー 
撮影: ジョナサン・セラ 
プロダクションデザイン: アレックス・ハードゥ 
衣装デザイン: ジェフリー・カーランド 
編集: タリク・アンウォー 
音楽: ブライアン・タイラー 
出演: ジェイミー・フォックス ニック・ライス
       ジェラルド・バトラー クライド
       レスリー・ビブ サラ
       ブルース・マッギル ジョナス
       コルム・ミーニイ  ヴィオラ・デイヴィス  マイケル・アービー  レジーナ・ホール 
       グレゴリー・イッツェン  エメラルド・エンジェル・ヤング  クリスチャン・ストールティ 
       アニー・コーレイ  リチャード・ポートナウ  マイケル・ケリー  ジョシュ・スチュワート  ロジャー・バート  
 
ジェラルド・バトラージェイミー・フォックスという組み合わせに興味があって
予告編が始まったころから、観ようと思ってました。
 
司法と復讐。
映画だけでなく、いろんなところで取り上げられるテーマです。
決して答えがひとつではなくて、やりきれないことも多いんですが…。

ママにプレゼントをするために、
サイコロ状のブロックでブレスレットを作る娘。
それを見守る父親。
極ありふれた日常でした。その日まで…。
 
その事件の担当ニックは、裁判では負け知らずの検事。
ニックは、決定的な証拠がないために主犯格の犯人を、
司法取引で軽減し、共犯を死刑にする決断をします。
その決断を最後まで反対し続けたクライド。
ニックもどこかやり切れなさは残していたようですが、
それから10年の時の流れが過ぎていきます。
ニックの娘も10歳になっていました。
 
そして唐突に、その共犯エイムスの死刑執行の場面になり、
クライドの復讐が始まります。
 
その後、司法取引で軽減された主犯の殺害でクライドは逮捕されます。
穏やかな父親だったクライドの表情はありませんでした。
殺人鬼、復讐の鬼と化したクライドは、容赦なく計画を実行していきます。
司法取引に関わったすべての人間を手に掛けようと…。
 
その辺りまでは、殺人鬼と化したクライドの気持ちに同情もしたし、
だからと言って誰もが納得できる答えはないんだろうな、
どんな結末が待っているんだろうな、
と思ったりしていました。
 
 
ところが、このクライドの人物像が浮き彫りになっていくにしたがって、
ちょっと漫画チックになっちゃったんですよね~。
クライドが【ボーンシリーズ】のジェイソンと重なってしまいました。
あまりの超人ぶりが…(^^ゞ
 
派手な殺人計画も、どこか現実離れしてしまって、
おまけにあんなことまで…。

それはさておいて、考えさせられる部分も多かった作品です。
 
家族を殺された遺族とって、その犯人はどんな存在なんでしょう。
そして、それを裁く人間はどんな存在なんでしょう。
復讐では解決しないということは理解できます。
クライドの取った行動は、やはり正義ではないですよね。
最後の表情に救いはあった気もしますが…。

そしてこの事件を背負って、ニックはどんな検事になっていくのか…。
クライドの様な人間が二度と生まれないようにと、
希望は持ちたい限りです。

J.バトラーの凄み、J.フォックスの苦悩の姿。
二大俳優の共演は見ごたえありました。