僕が結婚を決めたワケ (2010)

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名匠ロン・ハワード監督が、結婚に揺れ動く男の心の機微を「ドッジボール」のヴィンス・ヴォーン主演で描いた恋愛コメディ。恋人へのプロポーズを決意した矢先、理想の夫婦と思っていた親友カップルの不貞を思い掛けず知ってしまったことから結婚することに大いに悩み迷う主人公の行く末をコミカルに綴る。共演に「最後の恋のはじめ方」のケヴィン・ジェームズ、「ビューティフル・マインド」のジェニファー・コネリー、「スター・トレック」のウィノナ・ライダー
 イリノイ州シカゴ。実業家のロニーは、大学時代からの親友ニックを相棒に、車のエンジン・デザイン会社を営んでいた。エンジニアのニックはロニーの友人ジェニーヴァと結婚し、独身のロニーにとって彼らは理想の夫婦。またロニーも、ジェニーヴァに紹介されたオーナー・シェフのベスと愛し合っているものの互いを束縛しない関係に満足し、幸せな日々を送っている。だがある日、ロニーはジェニーヴァから“今プロポーズしなければベスを失う”と忠告されたことを機に結婚を意識し始め、ついには翌月のベスの誕生日にプロポーズすることを決意する。そして数日後、プロポーズの場所にしようと植物園の下見に訪れたロニー。ところが、そこでジェニーヴァの浮気現場を目撃してしまう。以来、ニックにその事実を知らせるか否か悩むと同時に、自らも結婚への踏ん切りがつかなくなってしまうロニーだが…。(allcinema)
 
2010年 アメリ
原題:THE DILEMMA
 
結婚前に、あなたは「秘密」をどうしますか?
 
監督: ロン・ハワード 
製作: ブライアン・グレイザー  ロン・ハワード  ヴィンス・ヴォーン 
製作総指揮: トッド・ハロウェル  ヴィクトリア・ヴォーン  キム・ロス 
脚本: アラン・ローブ 
撮影: サルヴァトーレ・トチノ プロダクションデ
ザイン: ダニエル・クランシー 
衣装デザイン: ダニエル・オーランディ 
編集: マイク・ヒル  ダン・ハンリー 
音楽: ハンス・ジマー  ローン・バルフェ 
音楽監修: アレクサンドラ・パットサヴァス 
出演: ヴィンス・ヴォーン ロニー・ヴァレンタイン
       ケヴィン・ジェームズ ニック・ブレネン
       ジェニファー・コネリー ベス
       ウィノナ・ライダー ジェニーヴァ
       クイーン・ラティファ スーザン・ワーナー
       チャニング・テイタム ジップ
       エイミー・モートン  チェルシー・ロス  ランス・ハワード  クリント・ハワード  
 
 
フリーパスポートも残りわずかとなり、最後のあがきで観に行ったところ、
なんと観客一人(^^ゞ
豪華な鑑賞会となりました。

最近、よくしゃべる男たちを観る。
ソーシャル・ネットワーク】然り、【グリーン・ホーネット】然り、
そしてこの作品…。
それぞれに皆よくしゃべるんだけど、受ける印象は全然違う。
 
今回主役のロニー。
黒を白と言い切るほどの弁舌の持ち主。
まあ、あれだけの言葉が出てくるんだから頭もいいんでしょう。
その手腕で会社も経営しているんだろうし…。
とても魅力的に見えたり、全然魅力的でなく見えたり…。
それは多分、しゃべることではなくて、
ロニーの考え方なのかもしれないな、と思いました。

40歳になっても独身。
でも親友も素敵な恋人もいて、人生に不満はない。
そんなロニーが恋人にプロポーズしようと思っていた矢先、
理想の夫婦だと信じて疑わなかった親友の、妻の浮気現場を見てしまったことから
何をすべきかを迷い始めるわけです。
 
大切な親友だから、その妻に浮気を止めるように働きかける。
ところが、夫婦の問題に口を出すなと言われてしまいます。
うん。それは一理ある。

そこで止めればよかったんだけど、どうしても納得がいかないロニーは、
何とか浮気現場を突きとめ、それを親友に伝えるのが自分の使命だと思ってしまうのです。
そうやって行動するロニーは、やっぱり自分勝手だったと思う。
だって夫婦のことは、ふたりにしか分からないこともたくさんあると思うものね。
大きなお世話。
 
なぜそこまで親友を思う理由は後で語られるんだけど、
それを聞くと、ロニーの気持ちもわからないではないけど、
やっぱり行きすぎだったかな~。
 
そういう恋愛騒動の中に、ロニーの仕事も絡んできて、
単なる恋愛コメディではないんだけど
どうも男目線なのがイマイチ気に食わない、かな。
と思っていたんだけど、もしかしたらこれは恋愛ドラマではないのかも…?
 

親友の妻を攻め立てるだけで、彼女の本音が描かれていない。
浮気をすることを正当化したいわけじゃなくて、
彼女のつらい気持ちも分かってあげたかったかな~。
 
そしてもうひとり。
ロニーの恋人、べスへの思いやりも欠如してたかな。
こんなに一途にロニーを想うなんて、ちょっと虫が良すぎかな。
これは男の勝手な理想像じゃない?
真実を語れないからと言って、ロニーが家を出るんじゃなくて
べスが出て行っても不思議じゃないと思う。
 
というわけで、かなり一方的な男目線で描かれている、
つまりは四十男の、中年オヤジたちの物語、なのかもしれません。
そう思えば腹も立たないか…(^^ゞ
 

最後は、強引ではあったものの
ハッピーエンドに持っていたのはOKということで(^^)
最初っから一貫して“べスにプロポーズする”ということに変わりないわけで、
そのプロポーズは、手の込んだものより◎でしたよ。
 
つまり邦題にかなり振り回されてしまった感があります。
原題の【ジレンマ】だとよく分かる気がするんですけどね。