デビル

イメージ 1ニューヨークの警察官トムの家に、一人の青年が同居することになった。彼の名はローリー、トムの祖先の地アイルランドからやって来た、優しい笑顔の好青年だった。妻と娘とも、すぐに親しくなるローリー。だが彼の真の正体は、IRAに所属する国際テロリストだったのだ……。ブラッド・ピットハリソン・フォードという異色の顔合わせが実現したサスペンス映画だが、製作中から様々なトラブルが囁かれ、でき上がった作品も極めて凡庸な物となってしまった。(allcinema)
 
 
 
 
1997年 アメリ
原題:THE DEVIL'S OWN
 
 
監督: アラン・J・パクラ 
製作: ローレンス・ゴードン  ロバート・F・コールズベリー 
製作補: カレン・L・ソーソン 
製作総指揮: ドナルド・ラヴェンタール  ロイド・レヴィン 
原案: ケヴィン・ジャール 
脚本: ケヴィン・ジャール  デヴィッド・アーロン・コーエン  ヴィンセント・パトリック 
撮影: ゴードン・ウィリス 
プロダクションデザイン: ジェーン・マスキー 
美術: ロバート・グエッラ 
衣装デザイン: バーニー・ポラック 
編集: トム・ロルフ  デニス・ヴァークラー 
音楽: ジェームズ・ホーナー 
舞台装置: レスリー・ブルーム 
出演: ハリソン・フォード トム・オミーラ
    ブラッド・ピット ローリー・ディヴァニー
    マーガレット・コリン シーラ・オミーラ
    ルーベン・ブラデス エドウィン・ディアズ
    トリート・ウィリアムズ ビリー・バーク
    ナターシャ・マケルホーン ミーガン・ドハティ
    ジョージ・ハーン ピーター・フィッツシモンズ
    ポール・ローナン ショーン・フェラン
    ミッチ・ライアン ジム・ケリー
    ジュリア・スタイルズ ブリジット・オミーラ
    デヴィッド・ウィルモット デシー
    アンソニー・ブロフィ ジェラード
    サイモン・ジョーンズ ハリー・スローン
    アシュレイ・カリン モーガン・オミーラ
    ケリー・シンガー アニー・オミーラ
    デヴィッド・オハラ マーティン・マクダフ
 
1997年の作品なんですね~。
ハリソン・フォードとブラピくんの共演ということで、劇場鑑賞した記憶があります。
もう20年以上前になるんですね。
そんな懐かしい作品を、WOWOWで見つけました。
ふたりとも若い(^^)
 
allcinemaの解説は、手厳しいですな~(^^ゞ
 

冒頭は、1972年の北アイルランドから。
漁師の父親から、船の操縦を習う少年の姿と、その家族の晩餐のシーンです。
これがラストに繋がると、そうか、と思ってもう一度このシーンを観たくなりました。

Wikipediaによると、IRAとはアイルランド独立闘争を行ってきた武装組織、とあって、
これまでにも何度か、映画の中でその言葉を耳にしています。
 
漁師の父親はそのIRAのシンパで、何者かに殺されてしまい、
時は流れ、1992年。
少年フランクはIRAのリーダーになっていました。

大好きだった父親を目の前で殺され、息子が父の跡を継いだとしても不思議ではない。
そのフランクが、武器集めのためにアメリカに渡って、
そこで、地下室に間借りさせてもらう相手が警官のトム一家でした。

このトム。
23年間の警官勤めで発砲したのは4回。犯人を殺したこともない、
というとても実直な、そして家族思いの察官でした。

トムの人柄を表わすエピソードとして、同僚警官の犯人射殺というのがあったり、
フランクの若者らしい恋物語もあったり、
ハリソン・フォードとブラット・ピット、両雄を並び立たせるために
ふたりの人物像を描こうとしたことが、本筋を鈍らせてしまった感じは否めません。
 
アイルランドにいる間はやはりフランクが中心で、
IRAの話しかと思ってしまいます。
ところが、NYに来てからは話の中心がトムに移ってしまって、
IRAに話が戻るのに少し遠回りしたような気がします。
 
 
そういった点はあるものの、
H.フォードは、いつもの彼らしい生真面目な役を、
ブラピくんは落ち着いたリーダー役を、演じてます。
安心して見られますね。
 
 
結末は、そこしかないだろうと予測は着きます。
その時のブラピくんの表情。
少年の時以来忘れてしまっていた、穏やかな、安らぎの時間の訪れだったでしょう。
胸を打たれます。
 
たとえ信念を持って生きてきたとしても、
誰しも銃など持たない人生を生きたいはずです。
トムもきっと同じ思いだったのではないでしょうか。

全編を通して流れる、アイルランド調の音楽も哀愁を誘います。
 
アメリカの話じゃないんだ”
フランクが何度か口にした言葉。
これは日本と置き換えてもいいくらい、他人には分からないことだけど、
かといって、全くフランクのことが理解できないようには描かれていません。
 
 
解説にあるように、凡庸かもしれないけど、
人間ドラマを味わうことができる、よい作品だと思います。