言えない秘密

イメージ 1台湾出身の人気スター、ジェイ・チョウが映画監督に初挑戦したトリッキーで切ない青春ラブ・ストーリー。主演はそのジェイ・チョウと「藍色夏恋」のグイ・ルンメイ。父親が教師をしている音楽学校に転校してきたシャンルンは、旧校舎のピアノ室から聞こえる神秘的なメロディに誘われ、それを弾いていた女性、シャオユーと出会う。たちまち恋に落ちるシャンルン。身体が弱く休みがちなシャオユーだったが、2人の愛は急速に深まっていくかに思われた。そんな矢先、ふとした誤解からシャオユーはシャンルンの前から姿を消してしまう。(allcinema)
 
 
2007年 台湾
原題:不能説的・祕密
 
もう会うことができなくても
あなたにだけは伝えたい。

監督: ジェイ・チョウ 
製作: ビル・コン  ソン・ダイ  千葉龍平 
脚本: ジェイ・チョウ  トー・チーロン 
撮影: リー・ピンビン 
音楽: テルサック・ヤンバン  ジェイ・チョウ 
出演: ジェイ・チョウ シャンルン
    グイ・ルンメイ シャオユー
    アリス・ツォン チンイー
    アンソニー・ウォン シャンルンの父親
 
 
映画好きな私に、後輩が貸してくれたDVDなんですが、
BSジャパンで放送されていたものの録画。
後で検索したら、TSUTAYA Dさんにはありませんでしたし、
Amazonさんでも入手不可。
あら…。
TVで放送されるのを待つしかない、そんな作品ですが…(^^ゞ
 
 
タイトルを見て、おや?と思って記憶を辿れば…。
ロードショウの最終号に掲載されていた『見るべき名画100本』の
ラブストーリー編第3位の作品でした。
 

いくつもの作品を観てくると、
なんとなく想像がつく展開というのがありまして、
まあ、この作品もその部類ではあります。
 
が、想像は半分当たっていて、残りの半分は、意外な方向へ進んで行きました。
 
 
音楽科の学生を主人公にしているので、
ピアノ演奏シーンが多く、ある意味での音楽映画です。
ピアノ王子と、転校生の主人公シャンルンとのピアノバトルは、
ショパンエチュード『黒鍵』が『白鍵』に変身したりと、中々興味深いですよ。
楽器の中を映しだすCG効果もユニーク。

そのシャンルンと、不思議な女子高生、シャオユーとの恋物語なんですけど、
ドロドロしてないのがいいですね~。
ピュアといいますか。
 
このシャオユーに何かあるぞ、というのは想定内。
そしてそのシャオユーの『言えない秘密』が想定外。
 
想定外の部分は『言えない秘密』なので言わないほうがいいんでしょうけど、
ご覧になれない方のためにネタばれすると、
ピアノ演奏を通しての、タイムトラベル物語になっていっちゃうんです。

タイムトラベルをして未来へ行ったというシャオユーの “ここだけの話” が
どんどん広がっていって、居場所をなくし、
それどころか妄想壁だと精神状態を疑われてしまい…。
その原因を作ったのが妄想壁だと言い切ったシャンルンの父親。
この父親はふたりが通う学校の教師でした。
そのことでいじめにあい、彼女は学校を辞めてしまう羽目に陥ります。

でも、それが全て真実だと分かったのは、シャンルンの必死な想いでした。
“信じてやればよかった…。”
シャオユーが描いたシャンルンの似顔絵と、本物を見比べて泣き崩れる母親。
シャオユーのメッセージを見つけて愕然とする父親。

取り壊される古い音楽室にある古いピアノ。
キーワードを見つけたシャンルンは、重機が入った音楽室で必死で弾き続けます。
時間が流れ、シャンルンは教室にいるシャオユーを見つける…。
 
そして、笑顔のシャオユーが写った卒業写真。
それが何を物語っているか…。
あっという間に過ぎたシーンに、つい巻き戻したけど、
そこにあった写真から、観る側に想像させる結末です。
 
大人の恋愛ドラマと違って、とても爽やかなな風を感じます。
ただただ彼、彼女が好き。
その想いしかない、純粋さ。
 
たまにはこういう青春ドラマもいいですね(^^)
ハッピーエンドも大好きだし♪