人生に乾杯!

イメージ 1 年金暮らしの老夫婦が、無情にも困窮に追い込まれた末、ついには国家に反旗を翻して紳士的な強盗を重ねていく奇妙な逃避行の行方を描くハンガリー発のハートウォーミング・クライム・コメディ。監督はこれが長編デビューのガーボル・ロホニ。
 ヨーロッパの小国ハンガリー社会主義国だった1950年代に運命的に出会い、身分の差を乗り越えて結ばれたエミルとヘディ。それから幾年月が経ち、いまでは81歳と70歳の老夫婦となったふたり。世の中もすっかり様変わりし、年金だけでは生活が立ち行かず、借金の取り立てに追われる無慈悲な老後を送っていた。そんなある日、ふたりの出会いのきっかけとなったヘディの大切なイヤリングまで借金のカタに取られる事態に。見かねたエミルは年代物の愛車チャイカに乗り込むとひとり郵便局へと出向き、ついに強盗を決行。最初は当惑気味のヘディもやがて夫と合流、ふたりは手を取り合って逃避行へと繰り出すが…。(allcinema)
 
 
 

 
2007年 ハンガリー
原題:KONYEC
 
ふたりなら
きっと明日を
変えられる
 
監督: ガーボル・ロホニ 
脚本: バラージュ・ロヴァシュ  ジョルト・ポジュガイ 
撮影: ペーター・サトマーリ 
音楽: ガーボル・マダラース 
出演: エミル・ケレシュ エミル
    テリ・フェルディ ヘディ
    ユーディト・シェル アギ
    ゾルターン・シュミエド アンドル 
 
1950年代に出会ったエミルとヘディ。
多くを語らずに見せるふたりの出会い。
全体的に雄弁過ぎないのが良かったのかも。
 
年金生活で、それだけでは暮らしていけない。
エミルは腰に持病を、ヘディは糖尿病を患っている。
そんな高齢の夫婦が、行き着いた先が強盗だった…。
 
何しろ81歳と70歳ですからね。
立ち居振る舞いが緩~いんです。
その緩さと、のどかな田舎の風景がマッチしていていい感じでした。
 
でも、一人息子を亡くしていることや、
けがをした警官を介抱するシーンなどで、
長く生きているといろんなことがあるんだよ、と思わせてくれます。
 
緩~いおじいちゃんとおばあちゃんだったのに、
お金を手にしたことで綺麗な洋服を身にまとい、豪華なホテルに泊まり、
ちょっとずつ輝いていくんです。
そういう意味では、お金ってやっぱり必要なものなのかもしれない。
まあ、一庶民にとっては、
贅沢ってせいぜいそのくらいなんだ、と苦笑いですけどね(^^ゞ

老夫婦相手に大勢の警察官を繰り出したり、
ラストだってだまされるか?と唖然としたり、
現実味がないのは、ファンタジーとして楽しめば許せちゃう作品でしょう。
老いてなお、元気でありたいですね。

それにしても、ハンガリーにもこんなに日本の車が走ってるんだ~。
ちょっと意外な感じでした。