さよならドビュッシー

イメージ 1さよならドビュッシー 文庫版
著者:中山七里
 
ドビュッシー「月の光」の美しい旋律が
少女の人生を突き動かす、音楽ミステリー
 
「最後にどんでん返しがあってね、面白かったです。思わず引き込まれて買っちゃいましたからね、クラシックのCDを」<「ダ・ヴィンチ」9月号より>と妻夫木聡さんも絶賛した音楽ミステリー。祖父と従姉妹とともに火事に遭い、全身大火傷の大怪我を負いながらも、ピアニストになることを誓う遥。コンクール優勝を目指して猛レッスンに励むが、不吉な出来事が次々と起こり、ついに殺人事件まで発生する……。ドビュッシーの調べも美しい、第8回『このミス』大賞・大賞受賞作。
 
 
ジョニー&ピアノ繋がりのブロ友さん、Choroさんの紹介で手にした一冊です。
ミステリーというより、青春ドラマみたいな仕上がりです。
 
あたしは、音楽高校の1年生。
祖父と従妹を火事で亡くし、
自分も大やけどを負って皮膚の移植をすることになります。
そして次々にあたしの周りで起こる事件。
そのあたしの一人称形式で進められていくんだけど、
結局その進め方にも謎が隠されていたと、ラストで分かることになります
ミステリー通の人には、もしかしたら謎は簡単に分かるのかもしれないけど
鈍い私は最後で驚かされました(^^ゞ
 
読み進めていくうちに、謎解きの部分より、
あたしがピアノとどうかかわっていくか、将来をどう生きていくか、
とくにコンクールに向けて練習する時間の濃密さに惹きこまれます。

楽曲の解釈や演奏法なども丁寧で、音楽が聞こえてきそうでした。
タイトルのドビュッシーからは『月の光
ショパンの『エチュード』やリストの『ラ・カンパネラ
その他にもたくさんのピアノ曲が出てきます。
 
殺人事件の背景や、登場人物の人物像も分かりやすいし、
特にあたしのピアノを指導するピアニスト・岬洋介は絵にかいたようないい男。
出来すぎな男なんだけど、そういう王子様は女子高生が主役なら必需品?
 
彼は、どうやら探偵役で続編の【おやすみラフマニノフ】にも登場しているようで、
読むのが楽しみです(^^)
 
そんなわけで、本格ミステリーを楽しむより、
少女マンガの延長線上で楽しむといい作品です。
もちろん、音楽愛好家も満足できます♪