近藤嘉宏さんピアノリサイタル

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近藤嘉宏
ピアノリサイタル
 
ピアノの貴公子が奏でる透明な音の粒
 
《program》
ショパン
 ノクターン 第10番 変イ長調 Op.32-2
 ワルツ 第4番 ヘ長調 Op.34-3
リスト
 愛の夢 第3番
 ラ・カンパネラ
ショパン
 バラード 第1番 ト短調 Op.23
リスト
 コンソレーション 第3番
 超絶技巧練習曲 第4番「マゼッパ」
 ピアノ・ソナタ ロ短調
 ハンガリー狂詩曲 第2番
 
 
 
一昨年の福岡アクロスホール以来のリサイタル。
今回は、北九州の響ホールに聴きに行ってきました。
残念ながら会場は空席が目立ち、
こんなに素敵なピアニストなのにな~とちょっと残念。
でもまあ、周囲はどうであれ、期待でワクワクしました。
 
前回はベートーヴェンソナタ5曲の演奏だったのですが、
今年はショパン&リスト。
曲目もかなり有名どころばかりが並んでいます。
 
15時。
定刻に客席のライトが落ち、拍手の中登場した近藤さんはマイクを持っていました。
あら、声が聞けるなんて

雨の前で急に湿度が上がったこと。
梅雨はピアノに良くなくて、演奏も大変なこと。
今年はリストの生誕200年なので、ショパンより曲数を増やしたこと。
などが語られました。
とってもにこやか
 
そして演奏が始まりました。
ショパンノクターンワルツ
10番のノクターンは私のお気に入りです。
明るくてきらきらしてて、聴けて嬉しいと素直に思いました。
ワルツは勢いがあって華やかでした。
 
一度退場した後、リストだとばかり思っていたら、
ポジションが…?と思う間もなく低音が響き、おお!バラードだ!
つい最近、生徒が練習していたんですけど、さすがピアニストの演奏!
まったく別物?なんて思うくらいの見事な演奏です。
強弱のコントロールが素晴らしくて、テンポにも乗ってました。
 
再び退場した後、
「すみません。曲順を間違えました」とおっしゃるではありませんか。
微笑ましい(*^_^*)
 
その後、愛の夢ラ・カンパネラとリストのオンパレード。
何というのでしょうね~。
昨年のベートーヴェンも、彼の音質の素晴らしさに感動できて
もちろん良かったんですけど、
ショパンやリストはやはり、テクニックの高さが直接感じられる作曲家です。
これでもか!というくらいのテンポ。
鮮やかな音質。
鍛えられた指先から生まれるフォルティッシモ
どれをとっても圧倒されるんですけど、押しつけがましくない心地よさ。
 
わりとポピュラーな曲は、生徒さんや学生の演奏会でもよく聴かれます。
そういうのばかり聴いていると、
どこかで違ったイメージにすり替えられてしまっていると、
今回プロの演奏を聴いて、その曲の持ち味を再認識しました。
これが本物!という演奏です。
 
マゼッパなんて、ほんとに超絶技巧ですもん!
どれだけのテクニックを持って演奏しているんだろうと、
ただただ感動してしまいました。
 
アンコールはワルツを2曲。
そして極めつけは英雄ポロネーズ
うっそー!アンコールでそれを弾いちゃう!?
最初のフレーズが流れた瞬間、ぎょっとしてしまいました。
 
これだけ演奏しても、最後までにこやかな笑顔でお辞儀をした近藤さん。
さすがです。
プロの演奏って、今月初めの福山くんのライブでも感じたけど、
とにかく乱れない。
集中力の高さも、さすがとしか言いようがありません。

歳とともに集中力がなくなって、練習時間が短くなっていることに反省しつつ、
良い演奏を聴けて良かったと
ここ数日感じていた疲れも、吹っ飛んだ気分でした