瞳の奥の秘密

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 2009年に本国アルゼンチンで公開されるや歴史的な大ヒットとなり、みごとアカデミー外国語映画賞にも輝いたサスペンス・ドラマ。25年前の未解決殺人事件を題材に小説を書き始めた孤独な主人公が、葬られた事件の真相と改めて対峙していくなかで、次第に封印していたはずの愛も甦らせていくさまを巧みな脚本と演出で描き出していく。主演はリカルド・ダリン、共演にソレダ・ビジャミル。監督は人気TVシリーズの演出などでハリウッドでも活躍するアルゼンチンの俊英フアン・ホセ・カンパネラ。
 刑事裁判所を定年退職したベンハミンは、有り余る時間を使って、彼の人生で未だ忘れることの出来ないある殺人事件を小説にしようと決意する。そしてかつての職場を訪ね、当時の彼の上司で、今では検事に昇格している女性イレーネと再会を果たす。2人が関わった事件が起きたのは、25年も前の1974年。銀行員の夫リカルドの最愛の妻が自宅で暴行殺害された事件。やがて捜査は暗礁に乗り上げ、そのまま1年が経った頃、ベンハミンは駅で容疑者発見に執念を燃やすリカルドを偶然目にする。その姿に触発され、イレーネとともに捜査を再開したベンハミンは、ついに事件の核心へと迫るのだったが…。(allcinema)
 
2009年 スペイン/アルゼンチン 
原題: EL SECRETO DE SUS OJOS
    THE SECRET IN THEIR EYES
 
ブエノスアイレスを震撼させた殺人事件から25年──
未解決の謎を小説にする男に、封印された愛が甦る。
 
監督: フアン・ホセ・カンパネラ 
製作: マリエラ・ベスイエフスキー  フアン・ホセ・カンパネラ 
製作総指揮: ヘラルド・エレーロ  バネッサ・ラゴーネ 
原作: エドゥアルド・サチェリ 
脚本: エドゥアルド・サチェリ  フアン・ホセ・カンパネラ 
撮影: フェリックス・モンティ 
編集: フアン・ホセ・カンパネラ 
音楽: フェデリコ・フシド 
出演: リカルド・ダリン ベンハミン・エスポシト
    ソレダ・ビジャミル イレーネ・メネンデス・ヘイスティングス
    パブロ・ラゴ リカルド・モラレス
    ハビエル・ゴディーノ イシドロ・ゴメス
    カルラ・ケベド リリアナ・コロト
    ギレルモ・フランセーヤ パブロ・サンドバル 
 
■ 2009年 アカデミー賞 外国語作品賞受賞
 
サスペンスなんだろうと思っていたら、とんでもない。
これは恋愛ドラマでした。
 
25年前に起こった凄惨な殺人事件。
定年退職した主人公のベンハミンが、忘れられないその事件を小説にしようとして
その事件を改めて思い出していく…。
というのが縦糸。
 
その頃上司だった女性・イレーネへの思慕が横糸。
 
とでもいいましょうか。
 
事件に関わった人々。
殺された女性の夫の、犯人への執拗なまでの怒り。
殺されたアル中の同僚。
が、ベンハミンを殺人犯逮捕へと導き、そしてその後の事件解決へと導きます。
 
…この事件解決というのがひと癖あって、
殺された同僚の、変わらないもの、という言葉がヒントになっていきます。
 
人間って、環境や年齢で様々に変わっていくものがあると思います。
自分自身でも、ずいぶんと性格が丸くなったな~と感じますもの(^^ゞ
でも、そんな中でも絶対に変わらないものがある、と語ります。
確かに、好きなものや、根本的な性格は変わらないかも…。
そこがヒントになるんです。
 
でも、それは殺人事件の解決だけではなくて、
ベンハミン自身、自分の想いも変わってないと思い知るわけです。
そして想いを打ち明けに行く…。
 
そういう作りはうまいと思いました。

最後にイレーネがほほ笑むんです。
多分、作品を通して初めてじゃなかったかな。
キャリアウーマンが見せた、初めての女性らしい姿でした。
 
殺された女性の夫の怨念は、ちょっと凍りましたけどね。
最愛の人を殺されたら、死刑がないなら、犯人に何を望むでしょうか。
そんなことも考えつつ…。
アルゼンチンという国のこと、国家的な背景など知らないので、
もっと深い部分が読めてないのかもしれないけど、
大人の恋愛ドラマとして観ることができました。