運命のボタン

イメージ 1 リチャード・マシスンが1970年に発表した短編小説をキャメロン・ディアス主演で映画化した不条理サスペンス。ある日突然、24時間以内にボタンを押せば100万ドル(約1億円)が手に入るが、その代わりに見知らぬ誰かが死ぬという奇妙な箱を受け取った夫婦の運命をミステリアスに描く。共演に「魔法にかけられて」のジェームズ・マースデン、「フロスト×ニクソン」のフランク・ランジェラ。監督は「ドニー・ダーコ」のリチャード・ケリー
 1976年12月16日、朝5時45分、ヴァージニア州郊外に暮らすルイス夫妻宅の玄関のベルが鳴る。しかし、妻のノーマが出ると、そこには誰もおらず、ひとつの四角い箱が置かれているだけだった。そして、夫のアーサーがその箱を開けると、中には赤いボタンが付いた奇妙な木製の装置が入っていた。午後5時、夫妻宅にアーリントン・スチュワードと名乗る男が訪ねてくる。男は夫妻に、赤いボタンを押せば2つのことが起きると告げる。第1にどこかで見知らぬ誰かが死に、第2に現金100万ドルが夫妻のものとなる。決断の期限は24時間。経済的に追いつめられていた2人は、やがて葛藤の末に、ついにボタンを押してしまうのだったが…。(allcinema)
 
2009年 アメリ
原題:THE BOX

 
あなたなら、押しますか?
 
ボタンを押せば1億円、
ただし見知らぬ誰かが死ぬ。
決断の期限は24時間──
 
監督: リチャード・ケリー 
製作: ショーン・マッキトリック  リチャード・ケリー  ダン・リン 
製作総指揮: スー・ベイドン=パウエル  テッド・フィールド 
             パリス・カシドコスタス・ラトシス  テリー・ダガス  エドワード・H・ハム・Jr 
原作: リチャード・マシスン 
脚本: リチャード・ケリー 
撮影: スティーヴン・ポスター 
プロダクションデザイン: アレクサンダー・ハモンド 
衣装デザイン: エイプリル・フェリー 
編集: サム・バウアー 
音楽: ウィン・バトラー   レジーヌ・シャサーニュ  オーウェン・パレット 
出演: キャメロン・ディアス ノーマ・ルイス
    ジェームズ・マースデン アーサー・ルイス
    フランク・ランジェラ アーリントン・スチュワード
    ジェームズ・レブホーン 
    ホームズ・オズボーン 
    ジリアン・ジェイコブス 
    セリア・ウェストン 
    デボラ・ラッシュ 
 
観たいような観たくないような、そんな類いの作品でした。
で、今回思い切って観たんですが…。
いや~~。これは何とも言えませんね~!
 
ある種、真面目に受け止めようとしていたらはぐらかされてしまうけど、
でも実は、とても不条理なもの、人間の欲望など、
かなり苦しくなるようなものが描かれています。
 
どこかでSFチックな雰囲気があるのは、冒頭からちらほら…。
火星なんて絡んできますからね。
 
おまけに、“従業員”なんてのが登場しちゃうんで、
先日鑑賞した【アジャストメント】の世界にも共通していてびっくり。
そういう、自分ではどうすることもできない“運命”みたいなものを
感じてる人が多いんでしょうか。

そんなそっちの世界はさておいて…。
 
このボタンを押したら
あなたの知らない人が死ぬけど、1億円を差し上げます。
なんて言われたら、どうするでしょうか?
 
ノーマとアーサーの苦悩は、ボタンを押すかどうかではなく
押した後に始まりました。

次から次に起こる不可解な出来事。

そして最後に訪れるのは、因果応報とでもいいましょうか。
自分に関係ないと思っていたことでも、
それがいつか自分に返ってくるかもしれない、なんて普通は考えないですよね。
そういう事実を突きつけられたとき、初めて思うわけです。
とんでもないことをしたって…。
関わるんじゃなかったって…。
平凡でよかったって…。
 
でも、思うんですよ。
思慮深く生きられる人が、この世にどのくらいいるんだろうって。
人間って欲深い生き物なのかもしれません。

そこにSFもどきの“従業員”なんて登場するので、こんがらがるんですけど、
内容としてはそれほど陳腐なものではないと思いますよ。
けっこうシビア…(^^ゞ
 
ただ、キャメロンが母親に見えなかったり、
…旦那の連れ子かしらと思ったくらい(^^ゞ
命がけで息子を守りたいと思うほどの家庭愛が感じられなかったのが残念。
お金がほしそうなほど、困窮しているようにも見えなかったし…。
そのあたりで、深刻さが浮いてしまったように感じました。
 
 
謎の男を演じたフランク・ランジェラ
怪しさを全身に滲ませて登場し、恐ろしい雰囲気を作り上げます。

冒頭にも書いた【アジャストメント】との違いは、
あちらは運命に抗った結果、ハッピーになれたけど、
こちらは抗い切れなかった、ということでしょうね。