ツリー・オブ・ライフ (2011)

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 「天国の日々」「ニュー・ワールド」の名匠テレンス・マリック監督が、1950年代のアメリカに暮らすある家族の物語を、圧倒的なヴィジュアルと共に、壮大かつ根源的な視点から描き出すヒューマン・ドラマ。主演は「イングロリアス・バスターズ」のブラッド・ピット、共演に「ミルク」のショーン・ペンとハリウッド期待の実力派ジェシカ・チャステイン。2011年のカンヌ国際映画祭でみごとパルム・ドールに輝いた。
 成功した実業家ジャック・オブライエンは人生の岐路に立ち、自らの少年時代に思いをはせる――。1950年代半ばのテキサスの小さな町に暮らすオブライエン一家。厳格な父は、成功のためには力が必要だと、長男のジャックをはじめ3人の子どもたちに理不尽なまでに厳しい態度で接してしまう。一方、全てを運命として受け入れる母親は、子どもたちを優しい愛で包み込む。そんな両親の狭間で葛藤を抱えながらも、2人の弟との楽しい時を過ごすジャックだったが…。(allcinema)
 
2011年 アメリ
原題:THE TREE OF LIFE
 
父さん、あの頃の僕は
あなたが嫌いだった…
 
監督: テレンス・マリック 
製作: サラ・グリーン ビル・ポーラッド ブラッド・ピット デデ・ガードナー グラント・ヒル 
製作総指揮: ドナルド・ローゼンフェルト 
脚本: テレンス・マリック 
撮影: エマニュエル・ルベツキ 
プロダクションデザイン: ジャック・フィスク 
衣装デザイン: ジャクリーン・ウェスト 
編集: マーク・ヨシカワ 
音楽: アレクサンドル・デスプラ 
出演: ブラッド・ピット オブライエン
         ショーン・ペン ジャック
        ジェシカ・チャステイン オブライエン夫人
        フィオナ・ショウ 祖母
        ハンター・マクラケン 若きジャック(長男)
        ララミー・エップラー R.L.(次男)
        タイ・シェリダン スティーヴ(三男)
        アイリーン・ベダード 
        ウィル・ウォレス 
 
 
お盆休みの15日、夕方の劇場内は、数えるほどの観客しかいません。
やはり夏休みは、お子ちゃま向けの作品が人気があるんでしょうか…。
 
 
冒頭に旧約聖書の引用が読み上げられます。
そこですでに身構えてしまうのが、聖書の世界から遠い者のサガですね…。
 
いろんな意見はあるようですし、本来のメッセージは読み取れなかったのかもしれないけど、
ただ単純に、親子の物語としては興味深く観ることができました。
 
厳格な父親と、それに従う母親。三人の息子たち。
その長男ジャックが抱える、両親への思い。
ジャックにとって父親は、尊敬できる存在ではなかったのです。
嘘をつく、とか、むやみに厳しいとか…。
息子目線から見ると、ちょっと異常なくらいの厳しさでした。
でも、父親からしてみると、
世の中で成功者になるには、そのくらいの厳しさが必要だと思っていたんですよね。
それが子供には通用しない。
ジャックのいら立ちがよく伝わってきます。

少年期のジャックを演じたハンター・マクラケンの表情。
憂鬱そうな、悲しそうな、そして怒りを含んだ表情が、
大人になったショーン・ペンに引き継がれているようで見事でした。
 
時に暴君にようになる父親を演じるのは、
製作にも名を連ねるブラット・ピット。
おバカキャラはもちろんですけど、こういう役もお見事!
 

尊敬できる両親ではない。
ジャックはそう感じていたようです。
だから反発する。
反発するから理解できない。
理解できないから愛情を感じない。
負の連鎖です。
 
大人になったジャックは、振り返ってみて何を思うのか…。

決して不幸な少年時代ではなかったのでは…?
過去に出会った人たちが行き交うラストシーンを観て、そんな風に感じました。
 

ところどころにイメージ映像が挿入されていて、
それの意味するところは分からないんですが、
理屈ではなくて、音楽と映像とに身を委ねる作品なのかもしれません。
 
強くお勧めできる作品とはいきませんし、良さをうまく伝えることはできないけど、
個人的には嫌いな作品ではありません。