親愛なるきみへ (2010)

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 「きみに読む物語」の原作者ニコラス・スパークスのベストセラー『きみを想う夜空に』を、「G.I.ジョー」のチャニング・テイタムと「マンマ・ミーア!」のアマンダ・サイフリッドの主演、「ショコラ」「HACHI 約束の犬」のラッセ・ハルストレム監督で映画化した純愛青春ストーリー。兵役中でなかなか会えない中でも手紙で愛を育む若い男女が辿る切ない運命を丁寧な筆致で描き出していく。
 2001年春、米軍の特殊部隊に所属する青年ジョンは、2週間の休暇で帰郷した際、女子大生のサヴァナと出会い恋に落ちる。しかし、愛を深める間もなく、ジョンは赴任地へと旅立つことに。それでもふたりは、手紙を交わすことで互いの距離を縮め愛を育んでいく。しかし、そんなふたりの運命を9.11同時多発テロが変えてしまう。苦悩の末に任務の延長を志願したジョンに対し、孤独に耐えかねたサヴァナの心は揺れていく。
(allcinema)
 
2010年 アメリ
原題:DEAR JOHN
 
恋のときめき、愛の痛み。
その2週間は、永遠になった。
 
 
監督: ラッセ・ハルストレム 
製作: マーティ・ボーウェン  ウィク・ゴッドフリー  ライアン・カヴァナー 
製作総指揮: ジェレマイア・サミュエルズ  トビー・エメリッヒ  ミシェル・ワイス  タッカー・トゥーリー 
原作: ニコラス・スパークス  『きみを想う夜空に』(エクスナレッジ刊)
脚本: ジェイミー・リンデン 
撮影: テリー・ステイシー 
プロダクションデザイン: カーラ・リンドストロム 
衣装デザイン: デイナ・キャンベル 
編集: クリスティーナ・ボーデン 
音楽: デボラ・ルーリー 
音楽監修: ハッピー・ウォルターズ  シーズン・ケント 
出演: チャニング・テイタム ジョン・タイリー
    アマンダ・サイフリッド サヴァナ・リン・カーティス
    ヘンリー・トーマス ティム・ウェッドン
    スコット・ポーター ランディ
    リチャード・ジェンキンス ミスター・タイリー
    D・J・コトローナ 
    カレン・モス 
    キース・ロビンソン 
    デヴィッド・アンドリュース 
    メアリー・レイチェル・ダドリー 
    ブレット・ライス 
 
冒頭の、銃で撃たれるシーンから、バッドエンドを想像しながら観てしまいましたが。
 
夏休みで知り合った女子大生・サヴァナ(アマンダ・サイフリッド)と
陸軍の特殊部隊に所属するジョン(チャニング・テイタム)は、
2週間という限られた時間の中で、あっという間に恋に落ちてしまいます。
ほとんど一目ぼれ状態だったんですけどね。
 
休暇が終わってそれぞれの場所へ戻ったふたりは、
その関係を保ち続けるために、手紙のやり取りを始めます。

ネットや電話でリアルタイムにやり取りができる時代に、いつ届くか分からない手紙を待つ…。
そんな境遇に、切なさが募りました。
 
だからこそ、届いた手紙を読む時間は、至福の時間だと分かります。
何度も繰り返し読み、相手を愛おしく想う…。
そうやってただひたすら待ち続けるのです。
再会の時を。
 
ところが予測不可能なことが起こり、
ふたりの愛は終止符を打つことになりました。
 
手紙を燃やすジョンの姿。
再会したサヴァナへ、かつての決まり文句を言わずに去る姿。
終始、彼女を想い続けるジョンの姿が痛々しくて切なくて…。
 
サヴァナは言います。
「離れている時間が苦しくて他に選ぶ道がなかった」

サヴァナの選択とジョンの姿。
男の方が一途なのかもしれない、なんて思っちゃいました。
 
サヴァナが選んだ道を非難することはできないし、
それでもジョンを愛し続けていたことも、
打算的、身勝手かもしれないけど仕方ないかな。
だって生きて行かなくちゃいけないんだもん…。
時にはそういう選択しかないこともあるかもしれないじゃない…。
 
だから、長い長い時間をかけて、少し遠回りをしたふたりに、
幸せが訪れるといいな、と思えるラストは嬉しかったです。

そういう恋愛物語と、ジョンとその父親の関係とが描かれていますが、
この父親、自閉症という設定になっています。
たった一人で子育てをする親子の愛情の深さ。
 
脳卒中で倒れた父親に宛てた手紙を読むシーンは、とても感動的でした。
ジョンが、大きな身体を小さくして父親の胸に抱かれる姿、
ああ、子供はいつまでたっても子供なんだなって改めて感じました。
そして、冒頭にある「あなた」というのが父親のことだったと分かります。

父親への愛情と、愛する女性への愛情と、両方を描いたことや、
父親や、キーポイントとなったアラン少年の自閉症を取り入れたことなど、
多少散漫になった気はしますけど、
生きて行く上での、様々な愛に溢れた作品に仕上がっていると思います。