リッキー


イメージ 1 「8人の女たち」「スイミング・プール」のフランソワ・オゾン監督が、翼の生えた赤ちゃんの誕生に右往左往するある家族の姿を、ファンタジックな設定にリアルな心情描写を重ね合わせて描き出していく感動の家族ドラマ。出演はアレクサンドラ・ラミー、セルジ・ロペスメリュジーヌ・マヤンス
 7歳の娘リザと2人暮らしのシングルマザー、カティ。工場勤めの彼女はある日、新入りのスペイン人パコと出会い、恋に落ちる。やがてパコはカティの家に住むようになるが、それまで母を独り占めしていたリザはすっかり不機嫌に。おまけに、カティとパコの間に赤ちゃん“リッキー”が生まれ、ますます不満を募らせるリザ。そんなある日、リッキーの背中にアザを見つけたカティはパコの虐待を疑い、怒ったパコは家を出て行ってしまう。ところがしばらくすると、なんとリッキーの背中から小さな翼が生え始め、ほどなく部屋の中を危なっかしく飛び回るようになる。世間に知られては大変と、必死に秘密を守るカティとリザだったが…。(allcinema)
 
2009年 フランス/イタリア
原題:RICKY
 
きみは天使? それとも…
 
監督: フランソワ・オゾン 
製作: クローディー・オサール  クリス・ボルズリ 
原作: ローズ・トレメイン 
脚本: フランソワ・オゾン  エマニュエル・ベルンエイム 
撮影: ジャンヌ・ラポワリー 
美術: カーチャ・ヴィシュコフ 
衣装: パスカリーヌ・シャヴァンヌ 
音楽: フィリップ・ロンビ 
出演: アレクサンドラ・ラミー カティ
    セルジ・ロペス パコ
    メリュジーヌ・マヤンス リザ
    アルチュール・ペイレ リッキー
    アンドレ・ウィルム 
 
新作案内で見て面白そうだとレンタルしたんですけど…。
なんとも不思議なお話でした。
フランソワ・オゾン監督としては【幸せの雨傘】の前の作品になります。
 
シングルマザーのカティが、スペイン人のパコと恋に落ち、一緒に暮らすようになると、
カティの娘、リザとしては居心地が悪いやら、居場所がないやら…。
それまで学校へは母親が送ってくれていたのに、バスで行かなくちゃいけない。
ふたりきりの時間がなくなっていく。
始めは幼い少女だったリザが、次々と起こる出来事で、
最後にはとっても大人びた表情に変わったのは印象的でした。
 
カティがパコの子を産み、リザがリッキーと名付けます。
リッキーを巡って、カティとパコに言い争いが絶えなくなり、
リザも子育てに加わる日々が始まります。

ほとんど一目ぼれだったふたり。
あっという間に一緒に暮らし始め、子供が生まれ…。
カティが育児休暇を取ると、生活が苦しくなり…。
家庭を作ること、子供を育てることは大変なんだよと、突きつけてきます。
 
その辺りまでは、とってもリアルな生活が描かれていました。
 
ところが、リッキーの背中に羽が生えて来た頃から、
様相ががらりと変わって行きました。
 
それはもう完全に日常を超えてます。
確かに自分が産んだ子供だし、弟だし、守ろうとする気持ちは分かるけど
こんなに冷静でいられる?みたいな…(^^ゞ
 
でもその不思議は赤ちゃんの存在で、
カティとその家族は、ひとつになることができました。
 
普通でない子供を授かってしまったけど、
ちょっとやっかいな男を選んでしまったけど、
全部受け入れて生きていこうと思えるカティが、
最後にはとても優しい笑顔を見せてくれます。
 
ただ何とも不思議な展開で、で、リッキーはどうなったの?
なんて突っ込んでしまいたくなるけど、そこは我慢。
 
コピーにあるように、天使かそれとも…?
それは見た人が感じるものなのかもしれません。
 
 
《おまけ》
リッキーの羽が、妙にリアルでした(^^ゞ