ジーン・ワルツ

イメージ 1チーム・バチスタの栄光』の海堂尊によるベストセラー医療ミステリーを「パーマネント野ばら」の菅野美穂主演で映画化。さまざまな問題が山積する現代の産婦人科医療を背景に、現場で格闘する医師として体制に批判的なヒロインが抱える葛藤と彼女を巡る疑惑の行方を描く。共演に田辺誠一浅丘ルリ子。監督は「NANA」の大谷健太郎
 医療の最高峰、帝華大学病院の医師・曾根崎理恵は、一方で廃院寸前の小さな産婦人科医院マリアクリニックの院長代理としても働いていた。そこには現在、それぞれに事情を抱えた4人の妊婦が通っていた。ところが、最先端不妊治療に積極的な理恵には、マリアクリニックでの治療にある疑惑が向けられていた。そんな理恵と同じ帝華大学病院に籍を置くエリート医師・清川吾郎は、改革の必要性を認めながらも、そのやり方については理恵とことごとく対立していた。そして、理恵の行動に疑問を抱いた清川は、彼女の周辺を調べ始めるのだが…。(allcinema)
 
2011年
上映時間 111分
 
天才医師<遺伝子(ジーン)の女神>が仕掛ける、禁断の奇跡。
 
監督: 大谷健太郎 
プロデューサー: 松橋真三  野村敏哉 
原作: 海堂尊  『ジーン・ワルツ』(新潮社刊)
脚本: 林民夫 
撮影: 青木正 
美術: 太田喜久男 
編集: 上野聡一 
音楽: 上田禎 
音楽プロデューサー: 安井輝 
主題歌: 小田和正   『こたえ』
出演: 菅野美穂    田辺誠一
        大森南朋    南果歩 
        白石美帆    桐谷美玲 
        須賀貴匡    濱田マリ 
        大杉漣      西村雅彦 
        片瀬那奈    風吹ジュン 
        浅丘ルリ子 
 
 
チーム・バチスタの栄光』シリーズの海堂尊氏の作品なので、興味がありました。
海堂氏お得意の医療ドラマです。
が、ミステリーと言うジャンルではないですね。
 
解説を読んで、
『最先端不妊治療に積極的な理恵には、マリアクリニックでの治療にある疑惑が向けられていた』
とあって、もしかしてそこがミステリーと言うのかもしれないけど、
それはすぐに解き明かされます。
 
なので、ミステリーと言うより、
菅野美穂演じる産科医師の曽根崎理恵が、
その疑惑…代理母出産に関わったことや、
理恵が担当する妊婦さんたちの個々の事情と、大学病院の事情、
それに、日本が抱える産科医療に対する問題提起を描いている、
ヒューマンドラマです。

代理母出産の問題も、原作ではもっと中心的なエピソードのかもしれないけど、
その部分より、産みたくても産めない人や、産みたくない人、
などのエピソードが中心となっていました。
 
子供に世の中の光を見せたい。
無脳症という、生まれ落ちた瞬間に亡くなってしまう子供を身籠った母親は、
光を見せたいと言い続けます。
わずか5分間の命。
その時間は確かに家族三人だった、というシーンは、
やはり涙を誘います。
 
そしてその言葉の意味を知った若い妊婦は、産むことを決めます。
 
舞台となるマリアクリニックの院長を浅丘ルリ子が演じています。
余命宣告をされた院長が、最後の力を振り絞って出産に立ち合うんですが、
その瞬間、とても病人とは思えない力を発揮するんです。
今そこに、院長先生しかいないんだから…。
と、分かり切った展開であっても、プロフェッショナルな姿に感動しました。
 
ミステリーの部分や、産科医療の問題提起など、
ちょっとまとめ切れなかったのは残念だったけど、
あっちもこっちもベタな展開なんだけど、やはり生命の誕生には感動するんですよね。

子供が生まれるって凄いことなんだよ、奇跡なんだよ。
子供を持つと変わるわよ。
院長先生の言葉も心に響きました。
世の中が、もっともっとそう感じるようになればいいと思いました。
 
台風が荒れ狂う日に生まれた四人の子供たち。
優しい日差しに包まれる子供とその家族が、
ずっと光に包まれていてほしいと願わずにはいられませんでした。